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「テレビCMの費用」はどのくらいかかるの?15秒のCM1本流した時の相場価格は?

みなさんは、テレビCMを放送するのにどのくらいの費用が必要だと思いますか? なんとなく、たくさんお金がかかりそう…というイメージがありますよね。
とくに有名タレントを起用しているCMや、撮影機材にこだわっているCM、海外で撮影をしているCMなど、そのクオリティが高ければ高いほど莫大な費用が発生していそうです。
じつはテレビCMの費用は、大きく放映費と制作費にわかれます。そこで今回は、放映費と制作費がそれぞれどういった内容なのか、必要な費用や相場価格について詳しく解説していきます!

◆テレビCMの種類「タイムCM」と「スポットCM」

テレビCMの費用についてご説明する前に、まずはテレビCMの種類についてです。
テレビCMには、タイムCMとスポットCMの2種類があるのはご存知でしょうか? それぞれの違いをご紹介します。

・タイムCM

番組のスポンサーとして放送するCMのことを、タイムCMといいます。テレビ番組を見ていて「この番組の提供は○○でお送りします」というアナウンスを聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
タイムCMでは原則として番組内で提供社名が表示され、番組放送枠内で自社のCMが放送されます。販売単位は30秒、または60秒です。
放送エリアについては、キー局系列各局で放送されるネットタイムと、各局の放送エリアに限られるローカルタイムの2種類があります。
また、タイムCMでは放送期間が2クール(6か月間)での契約が基本です。そのため、短期間で集中的にCMを流すということができないのも特徴です。
長期間にわたって安定的にブランドイメージを訴求できたり、番組イメージと相乗効果が図れたりなどのメリットがあります。

・スポットCM

一方、スポットCMは、番組と番組の合間に放送されるSB(ステーションブレイク)と、番組時間内に設けられたPT(Participating commercial)にわかれます。
スポットCMは、タイムCMのように特定の番組を指定せずに時間枠だけを指定して放送できます。販売単位は15秒が基本です。
メリットとしては即効性がある、時期や投下量など柔軟性が高いなどがあげられます。短期間の契約期間でもCMを放送することが可能なので、新商品の認知や、イベントやキャンペーンの告知にも有効です。
タイムCMとスポットCM、それぞれの違いについては以下の通りです。
タイムCMの特徴 スポットCMの特徴
セールスの単位 30秒・60秒・90秒以上 15秒~
提供表示 あり なし
契約期間 原則2クール(6か月) 設定自由
放送エリア ネットタイム(全国)
ローカルタイム(各局エリア)
各局エリア
予算 2クール分固定予算 キャンペーンごと
効果 安定性・丁寧なメッセージ 即効性・認知率重視
このタイムCMとスポットCM、どちらを選ぶかによっても費用が異なります。
タイムCMの料金は番組の視聴率や放送時間、ターゲット層などに応じて金額が変動するものです。テレビ局サイドが提示した価格をベースに、交渉しながら金額を確定させます。
一方、スポットCMは【GRP×パーコスト】で計算されます。
GRPとは、一定期間に放送されたテレビCMの視聴率を合計したもので、「Gross Rating Point(グロス・レイティング・ポイント)」の略語。パーコストは世帯視聴率1%の値段です。
獲得したいGRPを設定し広告料金を算出する、もしくは予算に応じてGRPを決定する方法があります。

◆テレビCMに必要な費用、その内訳って?

では、いざテレビCMを出稿しようと考えた場合、どのような費用がかかるでしょうか?
テレビCMを放送するには、テレビ局に支払う放映費とテレビCMの制作費を合計した金額が発生します。
その内訳は、主に放映費と制作費(企画費・動画制作費・タレントの出演料など)です。それぞれの費用について詳しく確認していきましょう。

・放映費

放映費とは、制作したテレビCMを放送するのにかかる費用です。【各放送局のCM放映費用×視聴率】で計算されます。
先述した通りタイムCMなのかスポットCMなのか、さらに番組の視聴率や放送局などによっても費用体系は異なります。

・企画費

企画費はCMを企画・プランニングのための費用で、どんなテレビCMを作る場合でも必ず発生するものです。
CMを企画・プランニングする人をCMプランナーといいます。CMプランナーが考えた企画に対して企画費用を支払います。

・動画制作費、出演料

動画制作費は、CM素材を作成する際に発生する費用です。機材の手配や撮影・編集を行うスタッフの稼働費など、動画の撮影や編集にかかるコストが含まれます。
静止画とナレーションのみで作成するとコストダウンできるなど、予算に応じて調整することも可能です。
出演料は、CMに出演するタレントや、ナレーターのアサイン料です。
キャスティングする人物や期間、契約の内容などによって大きく費用が変動します。
動画制作費と出演料次第で、CM全体の制作費が高額になるか、安価になるか決まります。
「誰をキャスティングする?」「どこで撮影する?」「どうやって撮影する?」、この3要素が制作費用を決める大きな要素になりますので、テレビCMの目的や狙いたい費用対効果にあわせて検討することをおすすめします。

◆テレビCMの相場価格を知りたい!

では、実際にテレビCMを出稿した場合、どのくらいの費用が発生するのか気になりますよね。
放映費の相場価格は、民法キー局で15秒のCMを1回流すにつき75万円~です。
放映費はテレビ局ごとに異なります。また、視聴率が高い番組ほど放映費もつり上がるのが一般的です。
放映料については、キー局>準キー局>ローカル局の順に高くなると言われています。全国規模で放送されるキー局の方が放映料はかかりますが、その分CMが広範囲に届けられるため、より多くの人の目に触れて広告効果が高まります。
一方、一般的なテレビCMの作成費の相場は、タレントのキャスティング費を除いて300〜600万程度です。
静止画を使ったアニメーション動画などであれば100万円~制作することもできますが、撮影場所や機材、編集の内容にこだわるほど費用は跳ね上がります。

◆テレビCMの費用対効果とは?

テレビCMを放送しても、明確な成果がわかりにくいと言われています。というのも、テレビCM を視聴した人が本当にその影響で商品を購入したか計測できないからです。
続いては、テレビCMの費用対効果の考え方、そして実際の計測方法についてご説明します。

・GRPをもとに効果測定

テレビCMの視聴率を合計した指標のGRPは、【個人全体視聴率×CMの本数】の計算式で算出することが可能です。
仮に、視聴率が5%の番組に3本CMを放送した場合は、5%×3本=15GRPとなります。
GRPはテレビCMの露出量ともいえます。この値が高ければ高いほど、より多くの視聴者の目に触れていると考えられるでしょう。
すなわち、GRPが高い数値だった場合、出稿したテレビCM の費用対効果も高いと言えるでしょう。

・間接的な効果を考える

そもそも、テレビCMには商品やサービスへの興味・関心を抱かせるという役割があります。テレビCMなどのオフライン広告では、直接購入につなげる方法はありませんので、間接的な効果を考えるようにしましょう。
たとえば、特定のテレビCMに何度も接触しているうちに、しだいに興味を抱くようになり、結果的に気になって購入するというケースもあります。
テレビCMを視聴してダイレクトに商品の購入に至ったかまでは計測できませんが、間接的に視聴者の行動に影響を与えることはできます。テレビCMからはこのような間接的な効果が得られると考えることが重要です。

◆まとめ

今回は、テレビCMの費用について解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう!

  1. テレビCMには、タイムCMとスポットCMの2種類があり、それぞれ料金が異なる。
  2. テレビCMに必要な費用の内訳は、放映費と制作費(企画費・動画制作費・タレントの出演料など)。
  3. 放映費の相場は、民法キー局で15秒のCMを1回流すにつき75万円~。
  4. 作成費の相場は、タレントの出演費を除いて300〜600万程度。
  5. テレビCMの費用対効果はGRPをもとに効果測定を行う。もしくは間接的な効果を考える。