お役立ちコラム

「スポットCM」とは?メリットとデメリットや料金の決定方法を解説!

テレビCMを放送したい!というときは、その時間の放送枠を購入しなければなりません。このバイイングと呼ばれる方法の1つに、スポットCMがあります。 スポットCMでは、番組を特定せずに決められた予算内でCMが流れます。いわば、お寿司屋さんの“おまかせコース”のようなものです。 とは言いつつも、そもそもスポットCMってなに?どういったメリットがあるの?…など、さまざまな疑問が浮かびますよね。 そこで今回は、スポットCMの特徴や効果、料金の決め方などについてご紹介します!

◆そもそも「スポットCM」ってなに?

スポットCMとは、テレビ局が指定した時間に放送されるCMのことです。
スポットCMは発注金額、期間、放送したい時間帯などを自由に考えて放送できます。そのため主に、期間限定のキャンペーン紹介や新商品の認知度アップ、各種イベントなどの集客を目的とした事前告知などで活用されています。
スポットCMの単位は15秒から。またタイムCMの2クール(6か月)のような期間の縛りはなく、2週間や1か月など短期間での放送も可能です。CMを放送する番組の指定はできず、ローカル局(単局)での買い付けしかできません。
スポットCMの特徴
セールスの単位 15秒~
提供表示 なし
契約期間 設定自由
放送エリア 各局エリア
予算 キャンペーンごと
効果 即効性・認知率重視
スポットCMには、SB(ステーションブレーク)とPT(Participating commercial)の2種類があります。
SBとは、番組と番組の間に設定されたCM枠のことです。
一方、PTは番組内に設定されたCM枠のことを指します。しかし、タイムCMのように番組内で提供社名が表示されたり、提供アナウンスが流れたりすることはありません。

◆スポットCMのメリットとデメリット

次に、スポットCMにはどのようなメリット、そしてデメリットがあるのかご説明していきます。

【スポットCMのメリット】

・実施するエリア、放送局、期間、出稿金額、オンエアする時間帯を自由に選んで購入できる。
・広告主のキャンペーンに沿って、短期間で集中的に多岐にわたる時間帯で幅広い視聴者層に訴求できる。
・さまざまな枠に分散して露出できるため、低視聴率の危険を軽減できる。
・広告対象商品の購入に結び付きやすい。

【スポットCMのデメリット】

・全国に向けて同時にメッセージを送ることは難しい。
・番組イメージと連動させた情報発信が難しい。
・料金体系に関してシーズンごとの相場が異なり、固定費として広告予算を準備することが難しい。

スポットCMの最大の利点は“柔軟な買い方”ができることです。しかし、それゆえに先を読めないという課題もあります。
たとえば、テレビCMの出稿ニーズが高まる需要期に1か月間スポットCMを放送したとします。すると、場合によってはその期間放送される量にバラつきが出てしまう場合もあります。
しかし、スポットCMとタイムCMのメリット、そしてデメリットはお互いに補完し合える関係にあります。それぞれのデメリットを欠点としてとらえる必要はなく、CM出稿の目的や狙いに応じてスポットCMとタイムCMを使い分けるとより効果を発揮しやすいです。

◆スポットCMがもつ効果

期間や金額など自由に選べるスポットCMですが、どのような効果が得られるのか、より具体的に確認していきましょう!

・幅広い層にリーチできる

スポットCMは特定の番組を指定しないため、さまざまな時間帯や曜日に放送されます。そのため、男女問わず幅広い世代に訴求することが可能です。
たとえば、平日の朝・昼・夜と土日にCMが放送される枠(ヨの字型)を選んだとします。この場合、メインターゲットの成人男女だけでなく、主婦層も視聴してくれる可能性があります。
幅広い人にCMを見てほしいというときは、スポットCMを活用するとより効果的でしょう。

・短期間で集中的にCMを放送できる

スポットCMのメリットは、柔軟な出稿ができるという点です。
CMを放送したい時期や期間などだけでなく、どのくらいの量のCMを放送するかも調整できます。
たとえば、ファーストフード店が期間限定で実施するキャンペーンにあわせてCMを放送したいと考えたとします。
このとき、店舗の利用者が多いランチタイムや夕食の時間帯に合わせて集中的に放送できるのがスポットCMの特徴です。
また、テレビCMは費用が高そう…というイメージがありますよね。しかし、スポットCMは15秒から購入できるため、低予算でもCM出稿が可能です。放送する期間も予算に応じて調整できます。
もちろん、より大きな効果を得るためには、放映する本数は大事なポイントです。予算や狙いたい効果と照らし合わせて出稿本数を決めましょう。

◆スポットCMの料金はどのように決定するの?

では、スポットCMの料金はどのように決まるのでしょうか?
スポットCMはタイムCMとは違い、基本的に「1本あたりいくら」という考え方はされません。
スポットCMを購入するにはGRPと呼ばれる延べ視聴率の合計を指定する、もしくは買付額を指定するのいずれかになります。
GRPは「Gross Rating Point」の略語で、簡単にいうとテレビCM枠の視聴率の合計を意味します。たとえば視聴率が10%のCM枠に1本、5%のCM枠に2本、計3本放送した場合、GRPは20です。
ちなみにここでの視聴率は個人全体視聴率が用いられています。

◆パーコストはエリアごとに違うの?

続いて、スポットCMの販売はパーコストという指標が使われます。パーコストとは“視聴率1%あたりの値段”を示すもので、計算式は【発注金額÷GRP】です。
たとえば、40万円でさきほどの20 GRP分の枠を購入したとします。その場合、1GRPあたりのパーコストは2万円です。
視聴率1%の価値はエリアごとに異なります。たとえばエリア内の人口が1000万人の場合、視聴率1%は10万人に値します。一方、エリア内の人口が100万人の場合、視聴率1%は1万人です。
このように視聴率は同じ1%だとしても、放送エリアごとに価値が違うため、パーコストにも差が生まれます。基本的に、エリア内の人口が多いテレビ局の方がパーコストが高いです。
なお、スポットCMは通年にわたってCMを流すことができるので、新年度や年度末、クリスマスやお正月などのイベント時期は発注が殺到します。この時期は、パーコストが高くなります。

◆予算100万円だった場合…GRPはどのくらい?

では、スポットCMを行う際に予算に対してどのくらいのGRPになるのか、逆に効果を出すためにはどのくらいの予算が必要なのかシミュレーションしてみましょう。
たとえば、ターゲットは主婦でキャンペーン期間に向けてスポットCMを放送したいというクライアントがいたとします。予算は100万円で、選んだ放送枠のパーコストは5,000円でした。
この場合、予算100万円÷パーコスト5,000円=200GRPとなります。
また、広告の内容によって変動しますが、一般的にエリアに個人全体視聴率でおよそ500 GRPほどの出稿量なら、視聴者に商品を認知させ、さらに購入につなげられると言われています。
さきほどの例で500 GRP出稿した場合は以下の通りです。
500 GRP×パーコスト5,000円=250万
つまり、250万の予算が必要ということになります。

◆スポットCMの販売パターンは?

スポットCMには、どの時間帯に放送するかを決めるために使われるタイムテーブルがあります。それが、線引きです。
線引きにはいくつかパターンが存在します。それぞれ特徴が異なりますので、CMの目的やターゲットに応じて選ぶのがおすすめです。
さっそく、線引きのパターンをチェックしていきましょう!

・全日型

平日と土日、ほぼ全日に放送されます。
ターゲット:オールターゲット、主婦層
コスト:安い

・ヨの字型

平日の朝・昼・夜・深夜帯と土日の全日に放送されます。
ターゲット:成人男女、主婦
コスト:やや安い

・コの字型

平日の朝・夜・深夜帯と土日の全日に放送されます。
ターゲット:成人男女
コスト:やや高い

・逆L型

平日の夜・深夜帯と土日の全日に放送されます。
ターゲット:成人男女、若者
コスト:高い

◆まとめ

今回は、スポットCMついて解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう!

  1. スポットCMとは、テレビ局が指定した時間に放送されるCMのこと。
  2. スポットCMには「発注金額、期間、放送したい時間帯などを自由に考えて放送できる」「短期間で集中的に多岐にわたる時間帯で幅広い視聴者層に訴求できる」というメリットが。一方で、「全国に向けて同時にメッセージを送ることは難しい」「番組イメージと連動させた情報発信が難しい」などのデメリットもある。
  3. スポットCMを利用することで「幅広い層にリーチできる」「短期間で集中的にCMを放送できる」といった効果が得られる。
  4. 購入する際はGRPと呼ばれる延べ視聴率の合計を指定する、もしくは買付額を指定するのいずれかの方法で行う。
  5. スポットCMの放送時間を決める線引きには「全日型」「ヨの字型」「コの字型」「逆L型」などのパターンがある。