◆そもそも「視聴率」ってなに?「平均視聴率」「瞬間最高視聴率」についても解説!
そもそも視聴率とは、テレビ番組やテレビCMが放送されていた時間(リアルタイム)に「どのくらいの世帯・人々に見られたか」という視聴量の大きさを表す指標の1つです。
したがって、放送内容の価値や質の評価をそのまま数値に反映したものではありません。
現在、多くのテレビ局ではビデオリサーチ(VR社)という調査会社の視聴率データを活用しています。
このデータは放送エリアごとに調査されており、調査エリア内のテレビ所有世帯のうち何世帯でテレビをつけていたかを示す世帯視聴率と、誰がどのくらいテレビを視聴したかを示す個人視聴率の2種類にわかれます。
一般的に視聴率という言葉は、VR社が計測した“リアルタイムの世帯視聴率”を指していることがほとんどです。
そしてBS視聴率とは、BSで放送される番組やCMがどのくらいの世帯・人々に見られたかを示す指標です。リアルタイムで放送された番組とCMが調査対象になります。
さらに一口に視聴率といえども、平均視聴率や瞬間最高視聴率など、さまざまな種類があるのはご存知でしょうか?
じつは、視聴率は1秒ごとではなく60秒ごとに計測されています。つまり、平均視聴率とは60秒ごとの視聴率を平均化したものです。
また、一番組のなかでもっとも高い毎分の視聴率を瞬間最高視聴率といいます。
◆「タイムシフト視聴率」「総合視聴率」とは?
テレビ番組をリアルタイムではなく録画で視聴することも多いですよね。その場合にも視聴率を計測することはできるのでしょうか?
タイムシフト視聴率とは、録画したテレビ番組やテレビCMがどのくらい再生されたかを表す指標です。
リアルタイム視聴の有無にかかわらず、録画したテレビ番組やテレビCMが放送されてから7日間(168時間)以内に、どれくらい再生されたかを示すものです。
さらに、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかでの視聴を表す指標を総合視聴率といいます。
リアルタイムでも視聴し、タイムシフトでも視聴した重複視聴が存在する場合は、リアルタイムにカウントされ、リーチの考え方で集計。これは番組単位での視聴の拡がりを示すものとして、新たな指標と考えられています。
たとえば、リアルタイム視聴率が10.0%、タイムシフト視聴率が5.0%、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴の重複率が1.0%だった場合、総合視聴率は14.0%です。
◆視聴率の調査方法を解説!
視聴率には、さまざまな種類や算出方法があることがわかりました。では、視聴率の調査は一体どのような方法で行われているのでしょうか?
日本には現在32のテレビ放送エリアがあり、その各エリアでVR社が視聴率調査を実施しています。
エリア内のテレビ所有世帯からくじ引きのような方法で無作為に調査対象(標本世帯)が選ばれ、そのテレビ視聴状況を調べた結果から視聴率を計算するという流れです。
最小1分ないし5分単位で計算され、これを番組の放送枠で再集計して番組平均視聴率を求めたり、6時~24時といった時間区分の平均視聴率を求めたりしています。
PM式世帯・個人視聴率調査
ピープルメータ(PM)と呼ばれる機械を使って、世帯視聴率とともに個人視聴率を調査する方法です。
世帯内のテレビ(最大8台まで)に取り付けたPMは、テレビ稼働状況を自動で記録し、この記録から世帯視聴率が計算されます。
また、PMの表示器や付属リモコンに世帯内の家族一人ひとりに割り当てられたボタンがあり、各人がテレビを視聴する最初と最後にそのボタンを押すことで、「どの人が、何時何分にどのチャンネルを見たか」も記録。この記録から個人視聴率が算出されます。
◆「視聴率1%」はどのくらいの人が見ているの?
ちなみに「視聴率1%」というと、実際にどのくらいの人が視聴しているのかイメージできますか? 正直、視聴率1%という数字を聞いただけでは多いのか、少ないのかわからないですよね。
「世帯視聴率1%」という調査結果が出た場合、関東地区では約18万世帯が、「個人全体視聴率1%」は約40万人が視聴したと推定されます。「1%」と聞くと“少ない数”と考えてしまうかもしれませんが、実際に視聴率で換算されると想像以上に大きな値ですよね。
よく視聴率が「高い」もしくは「低い」といいますが、仮に1%の視聴率でも実世帯数・実人数ベースで換算すると相当な数になるのです。
◆視聴率が担う3つの役割
このように日々さまざまな方法で視聴率が測定されているわけですが、はたして視聴率はどのような役割を担っているものなのでしょうか?
視聴率の役割は「社会調査」「番組の制作や編成の参考」「テレビ広告の接触を示す共通指標」の3つがあげられます。
視聴率から、人々が今どのようなことに関心をもっているのか読み取ることができます。つまり視聴率には、世の中の動向を表す社会調査的な役割があると言えるでしょう。
また、どの番組のどのシーンがどのくらい見られているのかを表す数値が視聴率です。番組の作成や編成を組む際の参考としても活用できます。
そして視聴率は、テレビ局や広告会社が広告取引を行うときの共通の指標としての役割も担っています。
◆まとめ
今回は、視聴率とはなんなのかについて解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう!
- 視聴率とは、テレビ番組&CMが放送されていた時間(リアルタイム)に「どのくらいの世帯・人々に見られたか」を表す指標。
- 「タイムシフト視聴率」は録画したテレビ番組やテレビCMがどのくらい再生されたかを表す指標。
- 視聴率の測定方法は主に「PM式世帯・個人視聴率調査」!
- 「視聴率1%」でも実世帯数・実人数ベースで換算すると相当な数になる。
- 視聴率には「社会調査」「番組の制作や編成の参考」「テレビ広告の接触を示す共通指標」といった役割がある。