お役立ちコラム

テレビCMの「GRP」とは? その計算方法、「TRP」との違いをわかりやすく解説!

みなさんは、GRPという言葉を聞いたことはありますか?
テレビCMを扱う広告代理店などでは当たり前のように飛び交っているワードですが、日常生活ではなかなか耳にする機会はありませんよね。はじめて聞いた…という方もいるのではないでしょうか?
そもそもGRPとは、なんなのでしょうか?
そこで今回はGRPの定義、そしてその計算方法や効果的なGRPの量平均や目安についても解説していきます!
テレビCMの出稿を行う際には必ず知っておきたい重要な用語ですので、しっかり把握しましょう。

◆そもそも「GRP」ってなに?計算方法は?

テレビCMには、タイムCMとスポットCMの2種類があります。そのうちの1つ、スポットCMの契約を行う際に用いられる単位がGRPです。
GRPとは「Gross Rating Point(グロス・レイティング・ポイント)」の略語で、一定期間に放送されたテレビCMの視聴率を合計したものです。
放送したCMの結果分析や、新しくCMを放送する際にどのくらい露出させるかを決める指標としても使われています。GRPは個人全体視聴率(+タイムシフト視聴率)が使われていて、15秒CMが1単位です。
つまりGRPは、調査地域において延べ何人が”そのCMが放送されたチャンネルをつけていたか”(※タイムシフト含む)を意味します。
続いて、GRPの計算方法についてご説明していきます。

◆GRPの計算方法は?

GRPの計算式は、【個人全体(+タイムシフト)視聴率×CMの本数】です。
たとえば個人視聴率5%の番組に15秒CMを1本流した場合、5GRPとなります。
30秒CMを流した場合は10GRP。15秒CMが1単位という概念から、15秒2本分の価値として算出します。
さらに、番組の枠内で15秒CMを1本と30秒CMを1本流したとします。その場合は、10%+20%=30GRPという計算になります。
仮に、視聴率10%の番組に10本、5%の番組に5本、3%の番組に2本、計17本のCMを流したとします。
その場合のGRPは以下の通りです。
(10%×10本)+(5%×5本)+(3%×2本)=131GRP
また、スポットCMの料金はどのように決まるのでしょうか? ここで使うのが、パーコストです。
スポットCMの費用は、GRPにGRP1%あたりのパーコストをかけて算出します。
パーコスト(CPR)は「Cost Per Rating」の略語です。つまり、世帯視聴率1%の値段のことを指します。
たとえば、パーコストが10,000円だったとします。これを先ほどの例で計算してみましょう。
131GRP×10,000円=1,310,000円
つまり、17本のCMを流した際の合計金額は131万円となります。
パーコストの値段設定は、テレビ局側の事情と発注するスポンサーサイドの要望とを照合し、交渉によって決定します。ですので、局ごとに値段が異なることを覚えておきましょう。
また、新年度や年度末、クリスマスやお正月などのイベント時期はCM発注が殺到するため、パーコストが高くなります。

◆CMを流す時間帯を決める「線引き」って?

CMをどの時間帯に流すか、というのも大事なポイントですよね。
CMを流す時間帯については、線引きを用いて決定します。線引きとは、スポットCMを出稿する際に受け取るタイムスケジュール表のことです。
線引きにはいくつかパターンがあり、なかでも代表的なものを絵柄と呼びます。パターンによって費用やターゲットが異なるので、それぞれの特徴についてもチェックしていきましょう。

・全日型(ターゲット:全世代)

すべての時間帯(主に6時から24時台)でまんべんなく放送されます。オールターゲットに向けのパターンで、生活習慣や在宅率に比べ、露出量を求める考え方に基づいています。

・ヨの字型(ターゲット:成人男女・主婦)

平日の朝帯、昼帯、プライムタイム、土日全日に放送されます。昼食の時間や、職場での昼休みの時間での視聴を念頭においています。

・コの字型(ターゲット:成人男女)

平日の朝帯とプライムタイム、土日全日に放送されます。出社、登校前の時間帯を加えることで、ビジネスパーソンや学生に対しても有効です。

・逆L字型(ターゲット:成人男女・若者)

平日のプライムタイム(18時台、23時台)と土日全日に放送されます。視聴率が高い時間なので、コストも高めに設定されています。
そのほか、基本的な取り方をベースに、広告主のニーズに合わせてさまざまな時間帯の設定が可能です。

・基本の取り方+夕方帯

主に逆L、コの字(ヨの字)の取り方に加えて夕方の時間帯を使用可能とする取り方。
夕方帯は、買い物前の主婦や、帰宅したばかりの学生のテレビ視聴があるなどさまざまな解釈がされています。

・深夜のみ取り

23時以降の深夜のゾーンだけを使用する取り方。
音楽関係のスポンサーや映画会社、ゲームソフト関連会社など、限定された若い世代のテレビ視聴をとくに求めて指定するパターンです。視聴率実数よりも、限定された時間帯内での露出量に重点を置いています。
また費用面では、全日型<ヨの字型<コの字型<逆L字型の順で単価があがっていきます。

◆GRPはどのくらいあれば効果的なの?

次に、効果的なGRPの量についても考えていきましょう。
GRPは多ければ多いほど効果がでやすいものです。一般的には「CMを認知してもらう」という目的では個人全体視聴率でおよそ500GRPが目安だといわれています。
しかし、放送するエリアや時期、さらにCM自体のインパクト、起用しているタレントの知名度や話題性などによって得られる効果も異なってきます。
CM出稿の予算や狙いたい効果、そして商品の特性に応じてGRPを決めることをおすすめします。

◆まとめ

今回は、GRPとはなんなのかについて解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう!

  1. GRPとは、一定期間に放送されたテレビCMの視聴率を合計したもの。
  2. GRPの計算式は【視聴率×CMの本数】。ここから算出されたGRPにパーコスト(視聴率1%の値段)をかけることで、スポットCMの費用が決まる。
  3. 線引きとは、スポットCMを出稿する際に受け取るタイムスケジュール表のこと。CMを流す時間帯については、線引きを用いて決定する。
  4. TRPとは、ターゲットの延べ視聴率を表す指標のこと。2018年4月より、スポットCMの買い付けがGRP単位でなくTRP単位に変更された。