2014ブラジルワールドカップを制したドイツ。予選では出足につまづいたものの最終的には1位通過と世界王者の底力を見せつけた。チームの中心はドイツ・ブンデスリーガで4連覇を達成したバイエルン所属の選手たち。ミュラー（26）やゲッツェ（24）を中心とした攻撃陣は3月のイタリア戦で4ゴールを挙げるなど絶好調。さらに、現在世界最高GKとの呼び声高いノイアー（30）率いる守備陣にも大きな隙はない。
20年ぶりのユーロ制覇で、72年～74年以来のメジャー大会連覇を狙う。

開催国だった前回大会に続き2回目の本大会出場となるウクライナ。予選ではプレーオフでスロベニアに勝利し出場権を勝ち取った。チームの中心は予選でチーム最多の6ゴールを挙げたヤルモレンコ（26）と鋭いドリブルが持ち味のコノプリャンカ（26）という両サイドのアタッカー。ともに1989年生まれで、ビッククラブも注目する2人がウクライナの命運を握る。また今冬、ACミランなどで活躍し、同国の最多得点記録を持つアンドリー・シェフチェンコがアシスタントコーチに就任。国内情勢が不安定な中、英雄の元での一致団結が求められる。

世界王者ドイツを破るなど圧倒的な攻撃力でユーロ予選全チーム最多の33ゴールを挙げたポーランド。チームの中心は何と言ってもドイツ・ブンデスリーガ、バイエルン所属のレバンドフスキ（27）。昨年9月のブンデスリーガの試合では9分間で5ゴールを挙げるなど、ブンデスリーガ得点王に輝いたエースは、ユーロ予選でも13ゴールの大活躍で、チームを3大会連続の本大会出場へと導いた。その他にもスペイン・セビージャのヨーロッパリーグ3連覇に貢献したクリホビアク（26）やオランダ・エールディビジで21ゴールを挙げたミリク（22）など今大会注目のブレイク候補もメンバーに名を連ねる。予選通りの攻撃力を見せればポーランド初となる決勝トーナメント進出だけでなくそれ以上の結果にも期待がかかる。

予選ではルーマニアやギリシャなどを押しのけグループ1位でユーロ初出場を勝ち取った北アイルランド。
1986年メキシコワールドカップ以来、じつに30年ぶりとなる国際大会への出場だ。
しかし、チームの大半はイングランドの下部リーグでプレーする選手たちがしめ、ドイツやポーランド、ウクライナと同居するグループステージは厳しい戦いが予想される。サウサンプトンで日本代表吉田とチームメイトのデイビス（31）や、予選で7ゴールを挙げたラファティー（28）を中心にチームワークとファイティングスピリットでグループステージ突破を目指す。