2022年3月17日放送

関駅 (三重県)

宿場と忍びの隠れ蓑の駅前

JR関西本線 関駅

三重県亀山市、JR関西本線の関駅。県の北部、鈴鹿山脈の麓の伊勢平野にあり、名古屋駅から1時間弱で着きます。

今週の一句

春の日の摑まつてゐる虫籠窓

守られた宿場の街並み

駅前から北へ歩いて5分、旧・東海道の関宿があります。関宿は江戸から数えて47番目の宿場で、江戸時代から明治時代に建てられた町屋が残り、2キロも続いています。宿場の両端に分岐点の「追分」があり、「西の追分」は大和街道へ、「東の追分」は伊勢別街道へ分かれます。旧街道の景観が地域の人たちの宝物で、新しい店でも周りと調和が取れるような外観にしています。

忍びの隠れ蓑

江戸時代からの看板を掲げる店もありました。和菓子「関の戸」の深川屋です。看板に漢字で書かれたほうは江戸を、かな文字のほうは京都へ向かっていることが、わかるようになっています。実は、この店、伊賀の忍者たちが諜報活動の隠れ蓑にした店だった、と言います。忍びが使う保存食の技術を生かし、和菓子が生まれたそうです。「昔は、お茶会などで密談をしていた。お菓子というのは、諜報活動にもってこいのアイテムだった」と深川屋の第十四代目・服部吉右衛門亜樹さんは話します。