2021年11月25日放送

日野春駅 (山梨県)

夏を待つ蝶の里の駅前

JR中央本線 日野春駅

山梨県北杜市、JR中央本線の日野春駅。県庁がある甲府駅から北西へ六つ目で、改札口を出ると、甲斐駒ヶ岳など南アルプスが望めます。

今週の一句

小春日の子に囲まれて蝶の夢

信玄公と松

駅前に、石碑がありました。「信玄公旗掛松」と書かれています。甲斐の名将・武田信玄がこの地を通ったとき、枝に旗を掛けて休息したと伝えられる松のことです。明治時代に中央線が開通した後、その松が、汽車の煤煙や水蒸気で枯れてしまい、実は所有者が裁判をおこして勝った記念碑なのです。

街の蝶・オオムラサキ

駅前から北西へ歩いて10分、動物園でみるようなゲージが現れました。オオムラサキセンターです。この地域は日本の国蝶、オオムラサキの生息地。6月から7月にかけて、舞い飛ぶ姿が人々の胸を躍らせます。歩いてきた小径の名もオオムラサキ自然観察歩道で、センターでは毎年、地元の中学生と野外で蝶の数を調べて30年以上になりました。ゲージの中の木々には、オオムラサキの幼虫がいました。来年夏に飛び立つまで、静かに成長を続けています。