2021年3月4日放送

目黒駅 (東京都)

谷底駅と坂の駅前

JR山手線など 目黒駅

東京都品川区、JR山手線の目黒駅。1885年3月に、山手線の前身である日本鉄道品川線の駅として開業しました。130年を超える歴史を持ち、いまは東急目黒線、東京メトロ南北線や都営地下鉄三田線も通っています。

今週の一句

鳥帰る行人坂の夕日かな
まどか

台地の上の駅

ホームは道路沿いの改札口よりもかなり低く、谷底にあるようです。開業前、蒸気機関車の煙や煤に対する反対運動で、線路が西側の平地から高い台地の上へと変更され、機関車が登るのが大変になったため、台地を削ってホームの位置を下げた、と言います。

行人たちが暮らした坂

駅前から西へ下るのは権之助坂。権之助は、江戸時代に坂を整備した名主の名です。もう一つ、裏手を下っているのが、もっと古くからある行人坂。行人とは、仏の道を修行する行者のことで、途中にある大圓寺に、行人たちが大日如来堂を建立したことで名が付いた、と伝わります。西寄りには目黒不動尊があり、江戸の「五色不動尊」の一つとして参拝者も多く、行人坂には茶屋などもあったそうです。

250年前の大火

大圓寺の境内に、五百羅漢があります。実は、江戸三大大火の一つ、「明和の大火」の火元の寺です。同じ日にもう一つの出火があり、二つの火事があわさり、江戸時代で2番目の被害があったと言われています。今年2月28日に、万燈会があり、250年目の法要が行われました。羅漢像の前に火が灯され、供養の祈りが捧げられました。