2020年10月8日放送

市川本町駅 (山梨県)

甲斐源氏の歴史と「和紙」の駅前

JR身延線 市川本町駅

山梨県市川三郷町、JR身延線の市川本町駅。中央本線も停まる甲府駅から南へ約40分、甲府盆地の最南端です。

今週の一句

漉きたての和紙のやうなる秋の雲
まどか

甲斐源氏の時代から続く「和紙の里」

駅前から南東へ10分ほど歩くと、甲斐源氏の祖とされる源義清の史跡があります。この地には、古くから和紙がつくられた記録が残りますが、義清の時代に、家臣が手漉きでつくる優れた技術を伝えた、とされます。美しさと強靭さを兼ね備え、いま、障子紙の生産は日本一です。

町内唯一の手漉き和紙職人

駅前から遠くないところに、手漉き和紙の工房がありました。主の豊川秀雄さんは、この道50年、いまでは町で唯1人の和紙職人です。和紙づくりの教室も、開いています。

信玄時代から続く狼煙と花火の歴史

武田信玄のとき、戦に使う狼煙もつくらせました。合図に白い煙が、立ち込めます。それを継いで、花火の産地にもなっています。実は、手漉き和紙でできた線香花火があります。地元の伝統文化を集結して完成しました。「市川神明牡丹」と名付けられた花火は、和紙で牡丹の花びらをイメージして作られたそうです。