梅雨入り間もない6月10日。雨がぱらぱらと降る中―
たった2枚の切符を巡り、熱き戦いが繰り広げられた。
学生三大駅伝のひとつ、全日本大学駅伝。
東海地区選考会からは、愛知工業大学。
そしてもう一枠を、去年の初出場から2年連続となる皇學館大学が手にした。
学校創立136年を誇る皇學館。実は駅伝ととても深い繋がりがある。
駅伝という言葉が初めて使われたのは今からおよそ100年前の東海道駅伝徒競走。
それを名づけたのが皇學館第6代館長の武田千代三郎なのだ。
そんな伝統ある大学が、全日本大学駅伝に出場したのは去年が初めて。
ゴールの伊勢神宮にほど近い8区のコース上にある大学の前を駆け抜け、
初出場とは思えない激走で17位と、東海地区の2枠を死守してみせた。
そして今年、再び伊勢路を駆け抜けるために―
ある特別な思いを持って選考会に臨む兄弟がいた。
チームを牽引するキャプテン、兄・一真(4年)と、
兄の背中を追いかけ同じ大学に進んだ弟・直也(2年)の上村兄弟だ。
今回が兄弟揃ってで挑む最後の選考会。
弟・直也は去年、10位と本戦出場に貢献できず悔し涙を流した。
今年こそはと、悔しさを糧に、1年間厳しい練習に取り組んできた。
迎えた当日、上村兄弟は、同じ組でスタート。
すると弟・直也は去年の屈辱を晴らす1位でゴール。笑顔がこぼれた。
一方、兄・一真も3位と健闘。
ゴール後「弟は力強い存在。今回のレースで助けられた部分も何回もあった」と弟を讃えた。
2人の活躍もあり2年連続の全日本出場を果たした皇學館大学。
本当の戦いは11月。兄弟で挑む最後の伊勢路へー
順位 | 大学名 | 合計タイム |
---|---|---|
1位 | 愛知工業大学 | 4時間12分58秒 |
2位 | 皇學館大学 | 4時間13分21秒 |
▲ 選考通過 ▲ | ||
3位 | 岐阜経済大学 | 4時間16分58秒 |
4位 | 名古屋大学 | 4時間17分18秒 |
5位 | 中京大学 | 4時間17分53秒 |
6位 | 静岡大学 | 4時間27分32秒 |
7位 | 東海学園大学 | 4時間27分52秒 |
8位 | 愛知教育大学 | 4時間30分53秒 |
9位 | 至学館大学 | 4時間32分56秒 |
10位 | 三重大学 | 4時間36分29秒 |
11位 | 愛知大学 | 4時間36分31秒 |
12位 | 名古屋工業大学 | 4時間39分22秒 |
13位 | 愛知学院大学 | 4時間40分30秒 |
14位 | 岐阜大学 | 4時間48分33秒 |
開催日 | 2018年6月10日(日) |
大会名 | 秩父宮賜杯第50回全日本大学駅伝対校選手権記念大会 東海地区選考会 |
会場 | 愛知県半田市 半田運動公園陸上競技場 |
備考 | 2校を決定 |