

駒大は痛快な逆転劇だった。抜かれた方はかわいそうだが、ドキドキ感のある駅伝の醍醐味を見せてもらった。
アンカーにエースを置けたというのが、一番の勝因だろう。窪田忍(3年)が最後にいたから、東洋大にとっては「駒大を離しておかなければ」というあせりにもつながり、最終区までに思っていたより差をつけられなかった。窪田の影が、頭から離れなかったのだろう。全体の力の差はないと思うが、アンカーの差が出てしまった。
また駒大は、1区の6位も想定内。すべて予定通りに物事が進んだということだろう。アンカーに窪田を置ける選手層の厚さと、ベストメンバーで臨めた点が大きい。
東洋大は設楽啓太・悠太(3年)兄弟のどちらかをアンカーに置くことができたら、違った展開になったかもしれない。駒大にもプレッシャーがかかったはずだ。
1年生に最終区の20kmを走らせるのは、荷が重かっただろう。練習でいい走りをしていたと聞くが、本番はまったく別物だ。追われるプレッシャーなど、精神的にも大変なのだ。結果論ではあるが、服部勇馬にはアンカーではなく、別の位置で力を発揮させてあげたかった。
3位の早大は1区の柳利幸が1年生で、初めての大きな大会。やはり荷が重たかった。最初の1分差で、後手後手に回ってしまった。1区に1年生を投入せざるを得ないチーム状況は、変えていかなければいけない。
4位の日体大は、全日本で久々の好位置。箱根駅伝の予選が2週前にあって、そこでほっとしてしまうことがよくあるが、今回はレースが続いてもよいパフォーマンスが出来る地力がついているということだ。
明大は、最近どんな大会でも上位に入っている。5位をよしとするかどうかは別として、安定感は評価できる。
日大・ガンドゥ・ベンジャミン(4年)は、3分どころか4分くらいひっくり返してしまった。彼の力からすると、20kmくらいはガンガン攻めていける。見ていて気持ちよかった。ただし今後の日大には、彼がいなくてもシードをとれるくらいの戦いをしてほしい。
上武大は7位とシードこそはのがしたが、昨年は初出場で6位。連続でシード争いなので、地力が付いているのは感じた。そのうち常連校になる予感がする。
東海大はけが人の欠場が響いて、12位と沈んだ。本来力はあるチームなので、この結果は少々さびしい。
最後に加えると、今回、上位12位までがすべて関東の大学だった。関東以外の大学は一校もそこに割って入れなかった。上位の一角に入るべく奮起を、全国の大学に促したい。