第44回全日本大学駅伝

大会ハイライト
大会ダイジェスト動画
各区ハイライト
第8区 伊勢路の最終章 19.7km

東洋大1年生アンカー・服部勇馬は、ゆったりしたフォームながら1kmを2分50秒となかなかのスタート。追う駒大・窪田忍は2分48秒の入り。5kmはそれぞれ約14分30秒で、その差はキープされたままだ。窪田としては、後半に力を爆発させる作戦か?
後方では日大・ガンドゥ・ベンジャミンが驚異的な追い上げを見せる。5km通過は13分55秒。2007年にメクボ・J・モグスが打ち立てた55分32秒という記録のペースに、遅れることわずか5秒。あっという間に1分22秒差あった山梨学大・森井勇を抜き去った。
9km通過は、服部が26分32秒、窪田がなんと25分54秒。その差は30秒を切る。
中間点ではその差22秒に。
東洋大は大会記録ペースながら、渡会橋の定点ポイントで駒大が後ろ約10秒に。早大・平賀翔太も、トップとの差を30秒縮めて、2分以内に。
13km、ついに窪田が服部を捕らえ、一気に先頭へ。服部も必死に食らいつく。
トップが交代した頃、後方では日大・ベンジャミンが一気に中大を捕らえ6位に。またたく間にシード圏内に突入する。
15km手前の残り5km、窪田がスパートし、突き放しにかかる。上り坂に入り、ますますピッチは上がっていく。参道に入った時には、50m以上の距離となった。

勝負はついた。駒大・窪田は、ガッツポーズ、そして笑顔でゴールイン。最終区の逆転で2連覇を達成した。さらに2年前に早大が打ち立てた記録を破り、大会新記録も更新した。
東洋大は、服部が疲れ果てた表情でゴールイン。悲願の全日本初優勝はならなかった。
3位は早大が入り、6年連続のシード権獲得。4位は日体大が食い込み、5年ぶりのシード権獲得となった。5位には明大が入り、きっちりシード権を確保。
そして6位は、9位から大逆転の日大。ベンジャミンが、新記録とはならなかったものの、56分50秒という快走。後輩たちにシード権をプレゼントし、最後の全日本を駆け抜けた。
第7区 シード権争いも熾烈 最後の差し合い松阪 11.9km

最初の1kmを、東洋大・佐久間建は2分52秒、駒大・黒川翔矢は2分47秒の入り。4km過ぎで、その差は10秒程度縮まり、40秒台に。
佐久間の5kmは14分30秒。悪くないペースだが、駒大のアンカーにエース窪田忍がいるだけに、差を広げたいのが本音だ。
そして、その狙い通り、7kmでは佐々木20分15秒、黒川20分20秒。1位と2位の差はほぼ1分となった。
第7中継所、東洋大は初優勝を目指して、トップで1年生アンカー服部勇馬につなぐ。追う駒大は、エース窪田忍へ襷リレー。大逆転に挑む。その差は1分7秒だ。昨年、東洋大・柏原から逃げ切った窪田は、今回は追う展開。立場が反対になって、2年連続優勝狙う。
3位は1位から2分26秒差の早大。そして4位日体大、5位明大。シード圏内の6位中大と、追う上武大の差は1分2秒に広がった。そして、ベンジャミンを擁する日大は、6位から3分2秒差で最後のリレー。「3分差なら逆転する」と言い切るベンジャミンは、シード権を獲得できるのか!?
第6区 優勝への鍵を握る 曽原 12.3km

5区で抜かれた早大が、日体大を抜き返し3位に。
トップ東洋大・市川孝徳は、キャプテンらしい快走。トップの座を盤石のものとしていく。5km通過は14分10秒。追いかける駒大・久我和弥は、背後に早大・前田悠貴の姿が徐々に迫ってくる。
6km付近、1位と2位の差は1分以上に。2位と3位の差は10数秒に。
中間点で東洋大・市川のタイムは、17分23秒。区間新のペースだ。
一方、シード権争いは、5km付近で日大が6位との差が1分半で10位。アンカーに大エース、ガンドゥ・ベンジャミンがいるだけに、大逆転もありうる展開。
東洋大・市川は、9kmまで25分48秒という快走ながら、表情は険しくなってきた。駒大・久我は、早大・前田との差が一時10秒程度まで縮まりながら、再び差を広げる展開に。
第6中継所、東洋大と駒大の差は55秒になる。25秒差で早大がつける。4位日体大と5位明大の差は11秒、6位中大と7位上武大の差は38秒。それぞれ、接戦が展開されている。
第5区 中盤の勝負どころ 粘りの津 11.6km

東洋大は2年前に早大が打ち立てた大会記録とほぼ同じペースで、トップを快走する。
5km、東洋大・高久龍は14分38秒で通過。駒大・湯地俊介は14分46秒。じわりじわりと、差が広がっていく。
早大・高田康暉の5km通過は14分57秒で、2位と3位の差も広がった。
1位と2位の差は7km通過で約38秒、9km通過で約47秒に。
明大・有村優樹が9km26分10秒の5位にランクアップ。
日体大・山中秀仁が11kmで早大を捕らえ、ついに3位まで浮上する。
第5中継所、1位東洋大・高久はガッツポーズで襷リレー。2位駒大は40秒差と粘る。
3位は日体大、4位は早大。その差はわずか4秒だ。
5位は、有村快走の明大が、順位アップ。6位の中大と7位の上武大の差は、約25秒。シード権争いは混沌としてきた。一時トップであった山梨学大は、ついに8位とシード権獲得圏外に。
第4区 もう一つのエース区間 勝負半ばの分岐点鈴鹿 14.0km

3km、東洋大のダブルエース、設楽悠太が余裕のある雰囲気ながら8分35秒のハイペース。駒大・上野渉も差が広がることなく、追走する。
5km通過は、設楽悠太が14分38秒、上野が14分33秒。じりじりとトップ争いは、僅差の展開に。
3位山梨学大・阿部竜巳と4位早大・山本修平の差もあっという間に縮まり、6km付近でついに逆転。早大が3位に。
日体大の3年生キャプテン・服部翔大は、7位からの猛追。一気にシード圏内に突入。7.5km付近、5位明大までをも捕らえる。
8km、東洋大と駒大の差は8秒に。続くのが、早大、山梨学大、日体大、明大。そして7位に中大。
ピッチをやや上げた東洋大・設楽は11kmを約32分08秒で通過。上野との差はやや開き、第3中継所と同じ差まで広がった。そして、その差はさらに広がっていく。
第4中継所、東洋大が駒大に23秒の差をつけて、トップでの襷リレー。3位は早大が順位を1つ上げ58秒差。4位は3つ順位を上げた日体大が、シード圏内に。5位は2つランクダウンの山梨学大。シード争いは中大が6位、明大が7位。その差は約15秒だ。
トップ通過後10分を超えた繰り上げスタートは7校増え、トータル9校に。
第3区 速さ勝負の最短区間 攻めの四日市 9.5km

4kmすぎ、東洋大・延藤潤が、山梨学大・松山雄太朗に追いつく。そして5km手前、延藤が前に出る。
3位駒大・油布郁人は、トップと約30秒。区間新ペースで快走する。
7km付近、トップ東洋大と2位山梨学大の差は約12秒、3位の駒大は約36秒差。早大・佐々木寛文は、3位との差が開き、トップとの差は1分近くに。
8.5km、駒大が山梨学院を捕らえ、2位に浮上。トップ東洋大との差も徐々に縮まる。
第3中継所、粘った東洋大・延藤潤が、順位を1つ上げ、トップで襷リレー。2位は油布が区間新記録で走り抜け、差は17秒に縮まった。3位は山梨学大が28秒差。4位は早大、5位は明大、6位は中大。トップと中大との差は1分53秒。そして、シード争いを狙う位置の7位日体大と6位中大との差はわずか7秒。
福岡大と新潟大は、トップとの差が10分を超え、無念の繰り上げスタートに。
第2区 二度の川越え 花のエース区間 13.2km

山梨学大・エノック・オムワンバが1km2分40秒のハイペースで、東洋大・設楽啓太に迫る。3kmで両者の差はなくなった。第2集団は、一気に引き離される。
早大のエース、大迫傑は、12位で襷を受け継いでから順位をぐんぐん上げる。4km付近でトップとの差は1分3秒。
木曽川大橋で、オムワンバが5km13分46秒の区間新ペースで、完全にトップに。
3位争いはトップと40秒差程度で、明大・大六野秀畝と駒大・村山謙太が並走。
7km、大迫は早くも7人抜き。5km14分10秒のペース。
8kmすぎ、設楽啓太が再びオムワンバに追いつき並走に。10km、オムワンバが再び突き放すが、設楽啓太も食らいつく。大迫は明大を捕らえ、4位に浮上。区間記録ペースで、12km手前、3位駒大についに追いついた。
第2中継所、オムワンバが37分16秒という区間新で、山梨学大が1位通過。2位は16秒差で東洋大。続いて駒大、早大、明大。6位には日体大、7位中大、8位日大と続く。
早大・大迫傑も37分25秒の区間新。
第1区 伊勢路への幕開け 14.6km

午前8時10分、快晴の空の下、熱田神宮西門前を26人のランナーがスタート。いきなり日大・田村優宝がひとり抜け出すが、すぐに吸収。大集団で1kmを通過。2分54秒。
大集団のまま、3kmを通過。タイムは9分10秒。スローペースだ。
第一工大・ジョン・カリウキ、東洋大・田口雅也、駒大・撹上宏光が、スローなペースを上げるように先頭で引っ張り始めた。
5km、15分3秒。1km3分のペースで進み、集団は徐々に縦長にバラけ始めた。
7km、カリウキが1人飛び出す。付いて行くのが東洋大、駒大など4校。
庄内新川橋を通過。再びトップは集団。東海大、早大、日大などはやや遅れ始める。
11km、東洋大・田口が飛び出す。12km過ぎ第2集団を10秒程度離す。追うのは山梨学大・井上大仁。第3集団は、第一工大、駒大、上武大、明大。早大1年・柳利幸はトップから40秒。苦しい展開に。
第一中継所、東洋大が山梨学大を6秒離してトップでエース設楽啓太に襷をつなぐ。山梨学大はエノック・オムワンバへ。3位は上武大、4位は第一工大、5位は明大、6位は駒大。
先頭と最後尾までの差は、わずか3分半の混戦で1区は展開した。