

東日本大震災の影響もあり日程と場所を変更し、何とか開催するに至った東北地区予選会。
今回の取材には本大会の解説でもお馴染みの瀬古利彦さんもお越しになり、熱い視線を送った。
各大学10000mを2名ずつ4組に分け、8人の合計タイムで競い、上位1校が本大会への出場権を得
るが、今年は新たに東日本大震災の被災地を支援する活動の一環として、代表校以外の予選会個人成績上位13名(オープン参加選手も含む)も東北学連選抜チームとして本大会に出場することになり、そちらにも注目が集まった。
梅雨も明け本格的な夏空となったレース当日は16時のレース開始時でも気温34.5℃。
過酷な状況下でスタートした1組目は、優勝候補筆頭の東北福祉大学(宮城)がいきなりエース大泉雅史(4年)を投入。終盤、暑さの影響もありペースダウンしたものの、一度もトップを譲らずにゴール。2位、3位には東北大学(宮城)の山本悠平(2年)、新田和樹(M 2年)が続いた。
2組目は序盤、東北福祉大、東北大の選手たちがトップ集団を形成する中、4200m付近で東北福祉大の門脇幸汰(2年)が抜け出し、そのままトップでゴール。東北大も2位に藤澤萌人(2年)、4位に尾形翔平(3年)が入り、代表校をかけた争いはこの2校の一騎打ちに。
3組目。依然、茹だるような暑さが続く中、まず抜け出したのは東北福祉大の池田圭(3年)。後続との差をジワリジワリと広げ2位に30秒以上、東北大勢にも1分以上の差をつけトップでフィニッシュ。しかし、総合タイムでは3組終了時点で1位東北福祉大と2位東北大との差は1分47秒。この暑さも考えると最終組での展開次第では十分逆転もありえる展開に。
そんな中、最終4組目は東北インカレ5000m、10000mでそれぞれ優勝した富士大学(岩手)の樋渡翔太(3年)と小野寺敬(2年)がスタート直後から2人で抜け出し、後続を大きく引き離す。結局、小野寺がこの日個人トップとなるタイムでゴール。2位にも樋渡が続きそろって東北学連選抜入りを決めた。 一方、注目の代表校争いは東北大の菅野均(3年)・深渡慎一郎(2年)が4位と5位に入り、東北福祉大の2人に先着したものの、結局合計タイムで逆転するには至らず、41秒差で東北福祉大が優勝。9大会連続9回目の本大会出場を決めた。
【予選通過校 監督コメント】 1位 東北福祉大学 小崎監督 「毎週、災害ボランティアとして部員たち自ら被災地へ赴いており、そこで逆にパワーをもらえたことが、今回の結果につながったと思う。しかし、9度通過している今までの予選会の中で2位とのタイム差が41秒と最も僅差であったことは、重く受け止めている。本大会へ向け更なるチーム力アップのために鍛えなおしたい。 そして本大会では東北学連選抜チームと共に東北の皆さんに元気と勇気を与えられるような走りを見せたいと思っています。」
【東北学連選抜メンバー コメント】 富士大学 小野寺選手(個人総合1位) 「暑かったけれど、しっかり走れてよかったです。全国は高校駅伝以来。関東に負けたくないという思いはあるので、頑張っているところを見せたいです。」
富士大学 樋渡選手(個人総合2位) 「二人とも、直接地震の被害があったわけではないけれど、東北の代表として、少しでも頑張っている姿をみせられれば・・・。今年の東北代表という重みは感じています」
そしてレース中、自然と身をのりだして「○○頑張れ!」「あと○周…」と声援を送っていた瀬古さんは・・・ 「(初めて東北予選会を見て)みんな頑張っているし、地方も少しずつレベルが上がっているのは感じる。来てみてよかった。東北選抜も全国レベルで走る機会は、レベルアップにつながるしいいことだと思う。」
今回のご当地グルメ、東北地区は福島県のスイーツを紹介します。
福島駅近くの「珈琲グルメ」

お店で人気の「珈琲ババロワ」

開店直後ながら、店内はほぼ満席という人気店のようです。