2009大学夏合宿リポート(全日本大学駅伝出場校)
駒澤大学
東洋大学
昨年大会4位、1月の箱根駅伝優勝校の東洋大は、この夏の間に主力のAチームが7回の合宿を実施。また、これまで4つに分けていた選手たちをA、Bの2チーム制とし、底上げを図った。「柏原(竜二)だけは頭一つ抜けていますが、それ以外は選手間で昨年ほど大きな差はありません」と酒井俊幸監督。8月16日〜20日の山古志(新潟)と25日〜9月1日の山形・坊平合宿には、渡邊公志(1年)と斉藤貴志(1年)も同行して起伏の激しいコースで走り込んだ。この夏で数多く合宿をこなした4年生は安定感が増し、主軸である千葉優(3年)や高見諒(3年)など7人は、さらに高いレベルを目指して実業団の合宿にも参加したという。今年もチームの充実度は高そうだ。

中央学院大学
昨年大会で過去最高の5位に入った中央学大は、夏合宿も例年の流れを踏襲。8月1日〜3日の長野・八ヶ岳合宿を経て、6日〜14日の長野・黒姫合宿では恒例の47km走を消化した。そして、24日には北海道に渡り、9月1日まで士別で3次合宿に。副キャプテンで関東インカレ2部3000m障害の覇者・大野紘崇(3年)がチームを引っ張り、三浦隆稔(4年)、小林光二(3年)も主力として積極的な走りを見せた。1年生も3人が士別合宿に参加している。士別では起伏を利用した30km走や、クロカンコースを使った1km×10本のインターバルなど、ハードな走り込みで持ち前の粘り強さを強化。今年は総合力で勝負する中央学大だが、底上げは着実に進行しているようだ。

明治大学
2年連続で全日本大学駅伝関東予選会をトップで通過した明大。Aチームは8月20日〜25日は深川、25日〜9月1日までは紋別と、北海道で13日間の合宿を行った。「各学年に主軸のいるチームが理想」という西弘美駅伝監督の構想に近く、北海道合宿は各学年5人の合計20名が参加。深川ではクロカン走25kmを2回と30km走1本をこなし、紋別でも順調に練習を消化した。「昨年までは箱根の予選会(10月)を想定していましたが、今年は予選会がないのでスピードを上げずに、全員が一緒でゴールできるような感じでやっています」と西監督。昨年の伊勢路は故障者が続出して11位に沈んだだけに、今年はじっくりと練習を積んで全日本大学駅伝に照準を合わせている。

東海大学
村澤明伸(1年)、早川翼(1年)という強力ルーキーを擁する東海大は、7月31日〜8月7日に福島・裏磐梯で夏合宿をスタートさせた。起伏のある桧原湖畔で25kmや30kmの距離走を組み込むと、2人の1年生が駅伝主将の金子太郎(3年)など上級生を刺激。チームには非常にいい雰囲気が浸透したという。そして、解散期間を挟んだ21日〜31日には、紋別(北海道)で2次合宿を実施した。日本インカレに出場する選手は別メニューでの調整となったが、インカレ組はトラック、それ以外は走り込みと、それぞれの目標に向けたトレーニングを消化。村澤はこの夏に自身としては過去最高となる「1日平均40km」の練習量を目安にしたといい、じっくり時間をかけて自らを鍛え上げた。

中央大学
昨年は5年ぶりに全日本大学駅伝のシード権を失い、6月の関東予選会を5位で通過。上位校への復帰を目指す中大の夏合宿は、8月17日〜9月1日に北海道の弟子屈と紋別で行われた。7月から長い距離をこなすための準備をしていたこともあって、北海道での練習は順調に進行。早朝25km、本練習16kmという1日2回の距離走や、土のトラックを使った2000m×7本など、密度の濃いメニューが展開された。さらに、ポイント練習以外でも選手たちが自主的にジョッグの距離を延ばすなど、例年以上にチームはいい状態だという。参加した19人のうち、野脇勇士(1年)、佐々木健太(1年)、新庄浩太(1年)ら1年生は6人。この中から何人が伊勢路デビューを果たすのか。
青山学院大学
6月の全日本大学駅伝関東予選会を突破。伊勢路初出場の切符をつかみ勢いに乗る青学大は8月18日〜31日の日程で北海道合宿(深川と紋別)を行った。「今年は『チーム』をキーワードにして、全員が一体感を持って戦うことを目標にやっています」と原晋監督。過去2年間は20名ほどの選抜制で行っていた北海道合宿も、今年は故障者を除く全員が参加した。昨年の夏合宿は主力選手の多くが故障しただけに、今年は故障者を出さないように気を配ってきたと原監督は言う。また、「1年生が強いので、上級生には刺激になっています」とさらなるプラス要素も。横山拓也(1年)、相原征帆(1年)、小嶺篤志(1年)、出岐雄大(1年)ら1年生の存在がチームの雰囲気をさらに明るくした。
情報提供/月刊陸上競技 |