


夏休み最後の日、「どこかに出かけて、何かおもしろいことをしたい」とのび太にたのまれたドラえもんは、『おざしきつりぼり』と『手ばり』を取り出す。南の海でつりをして出かけたことにしようと、二人がつりをしていると、のび太の手ばりが反応。ところが、つれたのはなぜかゴツゴツとした岩だった。
何かの化石かもしれないとのび太に言われ、ドラえもんが『タイムふろしき』で包んで時間を戻してみたところ、現れたのはふしぎなデザインのオカリナ。のび太がそのオカリナを吹き始めたところ、突然部屋がゆれ出し、おざしきつりぼりの水面から、なんと大きなクジラが飛び出してきた!
ドラえもんは『スモールライト』でクジラを小さくし、こわれた屋根を『復元光線』で直すと、『ペット用えさ』を取り出す。のび太がエサをにぎって食べさせると、クジラはのび太になつき、空中を泳ぎ始める。
その後、のび太がクジラを連れて、空き地でみんなにじまんしていると、あわてた様子のドラえもんがやってくる。のび太がつったオカリナは、52ヘルツという特殊(とくしゅ)な音波を出していることがわかったというのだ。それを聞いたスネ夫は、ふつうのクジラは15~20ヘルツの声で会話するため、ほかのクジラと会話することができない、52ヘルツで鳴く“世界一孤独(こどく)なクジラ”の話を始める。ということは、このオカリナに反応したクジラは、その世界一孤独なクジラなのか…さらに、ドラえもんによると、このオカリナはなんと7千年も前に作られたものだというのだ。日本でいうと縄文時代にあたるその時代に、なぜそんな特殊(とくしゅ)なオカリナが作られたのか? のび太たちはクジラとともに、『タイムマシン』で7千年前の、のび太がオカリナをつり上げた南太平洋へと向かう…。
すると、なんとそこには7千年後の現代には無い、しかも人間の住む文明の発達した島があった! 島に上陸したのび太たちは、あることからその島に住む少年・ピトと少女・ナーナと知り合い、ピトこそがのび太が手にしていたオカリナの持ち主だと知る。そして、クジラはゴニーと言い、ピトの大切な友だちだった。
なぜゴニーは7千年後に来たのか? なぜこの島はこんなに文明が発達しているのか? そしてなぜこの島は無くなってしまったのか…? ドラえもんがその謎(なぞ)に近づいた矢先、島に最大の危機(きき)が…!? ピトと力を合わせ、その危機に立ち向かうのび太たち。はたして、危機を乗り越えることはできるのか!? 南の島を舞台に、のび太たちの大冒険が始まる…!