放送内容
2016.02.27 #97
山下 裕之(やました ひろゆき)
[ フォトグラファー ]
銀座四丁目を撮影した一枚の写真。日頃、人があふれている場所だが、この写真には歩行者が一人も写っていない。撮影したのは、フォトグラファー 山下裕之。
「写真を見た方に"加工して人を消しているんですか?"とよく聞かれますが、僕は人がいない一瞬を狙って撮影しています。」
山下が撮影するのは、あくまでも趣味としての写真。仕事を終えた深夜以降に撮影を開始する。
「渋谷のスクランブル交差点を撮影した時は、誰もいない瞬間を撮るためにひたすら待ち続けました。一週間撮り続けて一枚ぐらいしか撮れなかったですね。」
人のいない瞬間を辛抱強く待つ山下の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…
【空間を独り占め】
「昼の浅草の雷門は、観光客や修学旅行の学生など人がごった返しているんですけれど、真夜中に行くと誰もいないんです。その時、雷門を独り占めしているみたいで快感なんですよね。」
さらに山下がこだわるのが写真の構図。
「いわゆるシンメトリー、左右対称で奥までずっと続いている空間がすごく好きです。そういった景色を見つけると必ず撮っていますね。」
夢中で撮影するあまり警察官に声をかけられることも…
「夜中に撮影していると、たまに職務質問されます。そういう時は理由を説明したら分かってもらえますね。"真夜中でも市民の安全を守ってくれてありがとうございます"と感謝の気持ちになります。」