Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2016.02.06 #94

蒼山日菜(あおやまひな)
[ 切り絵作家 ]

レースのようなデザインの蝶。実は一枚の紙を切り抜いた切り絵。生み出したのは、世界的な切り絵作家 蒼山日菜。一つの作品が、数百万円で売れることもあるという。
カッターを使う切り絵作家が多い中、蒼山はハサミだけで0.3mmの線まで切り分ける。

「蝶の触角の部分は、細さが0.3mmしかないので、切るのがとても難しいです。
ちょっと油断すると、ブチッと切れてしまうので切る時はとても神経を使います。」

一カ所、切り間違えれば失敗というプレッシャーの中、馬車をモチーフにした大きさ約30cm四方の『ファンタスティック・馬車』という作品では…

「柄が緻密(ちみつ)過ぎて切るのに苦労しました。直径5cmくらいの部分でも切り間違えないように1時間かけて切っていきました。」

精密機械のように正確に切り抜かれた蒼山の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…

【モノクロの世界】

「黒い紙しか使いません。私の作品を見た方に黒い世界で色を想像してもらいたいと思っているからです。例えば、シャクヤクの花を切り抜いた『レピヴォワンヌ』…普段ピンクや白のシャクヤクの花を黒い紙で切り抜くことで、“シャクヤクのはかなさ”や“シャクヤクは何を思って咲いているのだろう”など色々なことを想像して欲しいです。他にもニシキゴイをモチーフにした作品『鯉』(コイ)は、見る人に赤や白・金色など優美な姿で泳ぐニシキゴイを想像してもらえればと思って作りました。」

見る者の想像力をかきたてる蒼山。もし色のついた紙で作品制作をお願いされたら…

「色のついた紙を使って切ってくれと言われても“申し訳ないけど切りません”とお断りしますね。」