Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2014.11.8 #32

梶本博司(かじもとひろし)
[ プロダクトデザイナー ]

通常とは逆向きに開く一風変わった傘、“UnBRELLA(アンブレラ)”。生み出したのは、プロダクトデザイナー梶本博司。梶本がデザインする作品は、日常で感じる不便を解消する発明のようなもの。

「“UnBRELLA”の開き方を逆にした理由は、雨で濡れた面が閉じた時に内側に入ることで、傘を持ち歩いたり電車に乗ったりした時でも服を濡らすこともなく、また他人に迷惑をかけにくいからです。取っ手と蓋が一体になっているこの急須(きゅうす)“T-POT(ティーポット)”は、取っ手を握るだけで蓋を押さえることができるので、安心してお茶を注ぐことができるんです。シリコン素材で作ったコップ“UNFORGETTABLE CUP(アンフォーゲッタブルカップ)”は、本体の飲み口の部分に針金を封入し、飲み口の形を自在に変えることで小さな子どもでも飲みやすいように配慮しました。物事を考えることは好きです。新しい事や誰も考えていないような事を考えたいと思っています。」

暮らしを便利にしてくれる梶本の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…

【常識は常識ではない】

「日常にある常識的な物の形をそのまま鵜呑みにしてしまうと、デザインというものは終わってしまう可能性があると思うんです。例えばキッチンハサミ“BIRD”の場合…通常、キッチンハサミって引き出しにスプーンなどと一緒にまぎれ込んでいて、探しにくいこともあると思うんですけど、ハサミ本体に足をとり付け、鳥のように自立させることでテーブルの上に置けるようにしました。ペンケース“CASE BY CASE”の場合…フタを無くさないように、本体とフタを一体化させました。フタを回転させることで開く円柱型のペンケースで、フタを開く様子がまるで花が咲くかのようにも見えるんです。」

梶本のアイデアが尽きることはない。

「これからも発明的な部分を凄く意識したデザインを考えていきたいと思ってます。」