Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2018.09.15 #223

橋本宏一(はしもと こういち)
[ シェフ ]

蓮の葉に乗った水滴…に見えて実は、中にジュンサイが入った前菜。
朝露に見立てたこの料理を作ったのは、シェフ 橋本宏一。

「箸やスプーンなどを使わずに葉っぱの両端を持って、雫を飲むように食べていただく料理です。お客さんにはワクワクしてもらいたいし、表現しているもので何かを感じて帰ってもらいたい。」

ジュンサイを包んでいるのは、乳酸カルシウムを溶かした水。それを凍らせ食物繊維の水溶液に浸すと、化学反応を起こし表面が薄い膜で覆われる。橋本は、化学変化を使って朝露を表現したのだ。
食べる人に驚きと感動を与える橋本の料理。そこに込められた、デザイン・コードとは…

【体験は調味料】

橋本がこだわるのは、食べる時のアクション。
草を閉じ込めた器にチーズとミルクを載せ、草原をイメージした料理「夏の高原」では、食べる前に1本のラベンダーを渡される。

「こちらの料理は、添えてあるラベンダーの香りを嗅ぎながら、召し上がっていただきます。
まるで草原で料理を食べているような感じで召し上がっていただいています。」

ナスタチウムの花と透明なゼリーが一緒に提供される料理「花蜜」は、まず、花の蜜を吸ってから、ゼリーの中に花びらをちぎって落とし、ゼリーと花を一緒に味わう。

「昔、花を摘んで蜜をチュッと口で吸った思い出があると思いまして、それを形にした一品です。
お客様の思い出とリンクすると、美味しさも変わってくると思います。」

体験にこだわる橋本だが、自宅では…

「手の凝ったものは作らないです。豚の生姜焼きとかその程度です。」