Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2018.06.16 #212

小宮貴裕(こみや たかひろ)
[ 金属造形作家 ]

工具が散らかっている作業デスク。実は、工具もデスクも全て、実物の12分の1サイズのミニチュア。生み出したのは、金属造形作家 小宮貴裕。制作する上で、こだわっていることがある。

「裁ち鋏(たちばさみ)は、実際に紙が切れるように出来ていますし、卓上万力(まんりき)は、ハンドルを回すと物を挟めるようになっています。小さくても、実物と同じ動きが出来るというところにすごくこだわっていますね。」

つい手にとって動かしたくなる小宮の作品。そこに込められた、デザイン・コードとは…

【「飾る」より「動かす」】

「触って傷が付いたり、汚れるのも含めて、個性が出て『その人だけのもの』になっていくのがいいなと思います。」

新品の金づちも1年使い込むと、錆びて風合いが変化する。

「金属は錆びていくので、どんどん表情を変えてくれる。そういう味が出てくるのを楽しんでほしいです。」

作品作りのヒントを求めて、つい、人が使っている道具を観察してしまうという小宮。
特に気になるのが…

「普段から、錆(さび)には目がいっちゃいますね。錆を見ると、その道具の持ち主の人となりを想像するというか、使われた痕跡を知りたくなるというか。」