Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2018.05.12 #207

ヒラシママイ
[ 塩水アーティスト ]

黒い紙に描かれた海から飛び出すクジラ。クジラを描く白い線は絵の具ではなく…なんと、塩。
生み出したのは、塩水アーティスト ヒラシマ マイ。この技法を思いついたきっかけがあった。

「塩漬けの海藻を水で洗い流している時に、シンクに流れていく塩を『もったいない』と思ったのが、この塩水アートを始めるきっかけですね。」

塩水で描いた絵を火の上にかざして加熱。すると水分が蒸発し、塩だけが紙の上に残るという原理で作品を制作している。

「塩水を継ぎ足しながら描くことで、塩の濃淡や奥行きを調節しています。」

主に海の生き物をモチーフにするヒラシマ。その作品に込められた、デザイン・コードとは…

【生きている】

「『生きているな』と思っています。環境によって作品の変化の仕方も変わってくるので、生き物のように感じますね。」

暗闇を泳ぐ一頭のクジラを描いた作品。完成した時は、クジラの周囲にプランクトンも描いていたが、1年半の間に消えてしまったという。

「こんなに急激に変わるのは想像していなかったので、びっくりしました。変化していくことも、塩水アートの魅力だと思います。」

マッコウクジラを描いた作品「いただきへ」では、時間の経過とともに、クジラの体の模様が微妙に変化した。

「キラキラしていた所が、まだら模様になった感じですね。自分の想像を超えて変わっていくので、面白いです。」

儚さも彼女の作品の魅力の一つだが、作品を制作する時にはこんな苦労も…

「展示会で作品を発表する前に湿気の影響で塩が消えちゃったりすると、涙も出ないですね(笑)」