Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2018.03.10 #199

乙幡啓子(おつはた けいこ)
[ 造形作家 ]

愛らしいハトの人形。その背中に足を入れると女性用のハイヒールになる。
実はこれ、鳩の形をしたハイヒール。生み出したのは、ユニークな作品作りを得意とする造形作家 乙幡啓子。

「『ハトヒール』という名前のハイヒールです。この靴を履いてハトの群れの中に飛び込むと、ハトと仲良くなれて楽しめるのではないかなと思って作りました。」

リアルな魚がプリントされたペンケースは、背中についたファスナーを全開にすると、干物のように開き、中には焼きあがった“ほっけの開き”の写真がプリントされている。その名も『ほっケース』。

「ほっけは、開きにされた状態しか見たことがなく、開く前を見たことが無かったんです。だから、ペンケースにしてファスナーを閉じれば、ほっけの開く前が気軽に見られると思って作りました。」

乙幡が作る、インパクトある日用品。そこに込められた、デザイン・コードとは…

【99%おもしろ 1%実用】

ただ面白いだけではなく、わずかな実用性を残すのが乙幡のこだわり。

例えば、涙をこぼしたツバメの親子の人形を周りに置いたツバメの巣。ある目的のためだけに作った容器だという。

「巣の形をした器にプリンを一つ入れて冷蔵庫にしまっておくと、巣の周りにいるツバメ親子の人形が、涙をこぼしながら必死でプリンの入った巣を守っているように見えるんです。
なので、自分が大切にとっておいたプリンを、家族にうっかり食べられないようにするためだけの入れ物です。作品名も『私のプリン食べちゃダメ!』と名付けました」

前面に、両手を上げた状態の宇宙人を描いたエコバッグは…

「このバッグの持ち手を2人で1つずつ持つと、有名な宇宙人捕獲シーン写真のように見えます。その名も『捕らえられた宇宙人エコバッグ』です。」

日常使いできるものを目指す乙幡だが、最近気づいたことがあるという。

「作ったものは、自分ではそんなに使わないんですよ。“面白み”と“身に付けたい”というのは、別なんですね。」