放送内容
2017.12.02 #187
水代達史(みずしろ さとし)
[ 金属造形作家 ]
赤い花が咲いたサボテン。その根元には亀の頭と手足がついている。この不思議な亀とサボテンを組み合わせたアート作品、金属造形作家・水代達史が手がけたもの。色付けした金属を使い、生き物と植物を組み合わせた作品を作りだす。
「サボテンが針で身を守る様子と、亀が硬い甲羅で身を守る様子が似ているなと思って、亀の甲羅をサボテンで作りました。」
つる植物をよく見ると…
「つる植物の中にヤモリが潜んでいます。このつる植物は“シュガーバイン”という5枚単位で葉をつける植物で、ヤモリが5本指で這っている姿と似ていると思ってこの作品を作りました。」
この世に存在しない生き物を生み出す水代。その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【擬態好き】
水代は、生き物が外敵から身を守るため周囲の環境にとけ込む“擬態(ぎたい)”に魅力を感じるという。
「生き物が生きるために一生懸命、偽物を演じているところが面白いですね。」
擬態に惚れ込んだ水代が作るのは、「新しい擬態」。
蘭(らん)に見えて…
「蘭(らん)に擬態したアンコウを作りました。アンコウのちょうちん部分が蘭の花になっています。」
マリーゴールドは…
「エリマキトカゲがマリーゴールドに擬態しています。えりの部分を花びらのようにし、さらに尻尾を葉と蕾(つぼみ)に見えるようにしました。」
水代には、金属で作る理由がある。
「金属って、冷たいイメージがあると思うんですけど、僕が手を加えることで、命が吹き込まれたように見えればいいなと思います。」