放送内容
2017.09.09 #175
原田 武(はらだ たけし)
[ 金属造形家 ]
赤い枯れ葉の上にいる一匹のカエル。実は、葉っぱもカエルもすべて金属でできている。
生み出したのは、金属造形家 原田武。
その作品には、ある特徴が…。
「ニワトリの作品では、とさかの部分に銅を使い、くちばしは真鍮(しんちゅう)、胴体は純銀を使い作りました。」
塗料を使わず、数種類の金属を組み合わせ、色を再現する―それが、原田の手法。
黒ずんだ真鍮で作った蝶の羽根に酸を塗り、化学反応を起こすことで
鮮やかな黄色のアゲハ蝶を作り上げる。
「金属を変化させることで、金属特有の色が出てくると思います。塗料では出せない色や質感が表現したいですね。」
金属の性質を生かした原田の作品。そこに込められた、デザイン・コードとは…
【あっ 金属だ!】
「自分の作品を近くで見て、“あ!これ金属でできている”というような驚きや発見を持ってもらえると嬉しいですね。」
子どもの頃に昆虫や動物を見てワクワクした感覚を味わってほしいという。
「子供の頃、トンボを捕えてまじまじ見て“トンボってこうなっているんだ”っていう驚きがあったと思うんですよね。自分の作ったトンボの作品でも、近くで見ることで“あっ金属だ!”って子供の頃のように驚いてもらえるといいなと思います。」
一見、金属に見えない作品がほとんどだが、輝きを放つ瞬間がある。
「お客さんが作品を見て驚いている瞬間は、作品が一番輝いていると思います。」