Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2016.11.05 #132

須田悦弘(すだ よしひろ)
[ 美術家 ]

丹念に木を彫り出し、出来上がったのは…リアルな葉っぱ。作ったのは、須田悦弘。本物そっくりに植物を木彫りする美術家。須田は雑草をモチーフにすることが多いという。

「雑草って1個1個じっくり見ていくとそれぞれ特徴があって、好き嫌いも出てきますし、魅力的に見えるんです。」

リアルさを出すために、厚さ0.5ミリ以下まで削りあげる須田。都会の片隅で息づく雑草に惹かれるという。

「コンクリートの隙間から生えている雑草が好きですね。単純にそういう風に邪険にされているものが自分にとっては愛おしいんです。」

決して目立たず、どこか侘しさを漂わせる須田の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…

【ひっそりと展示する】

「私は、作品をひっそりと展示しています。例えば、『雑草』と名付けた作品は、広い展示スペースの端に一脚だけ椅子を置き、その下に展示しました。雑草って、存在を人間に気づかれないように生えていると思うんです。だから、その姿も表現したいと思いますね。」

他にも、本物の落ち葉に木彫りの落ち葉を1枚だけ混ぜて展示した作品は、リアル過ぎるが故に、こんなハプニングも。

「展示場の清掃員が作品と気づかずに捨ててしまったということは、何十回もあります。“まあ、作品のクオリティとしては、非常に高いということなのかな”と思うようにしています。」