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毎週土曜 夜

放送内容

2016.10.29 #131

石井 亨(いしい とおる)
[ 現代美術家 ]

友禅染めの技法で、背広を着た侍たちが組み体操の人間ピラミッドをしている様子を描いた作品『Tokyo Tower』。描いたのは、石井亨。伝統的な手法で、現代を描く現代美術家。『Tokyo Tower』に込めた思いとは…

「会社の縦社会を現代の東京タワーに例えて描いています。土台になっている多くの人たちが会社を支えていると思いますね。」

侍同士の合戦に見える作品にはなぜか信号機が…

「現代の交差点の様子を描いた作品です。朝の通勤ラッシュで見るサラリーマンの姿が殺気立っていて侍に見えたんです。青信号になった途端に一斉に渡り始める様子は、合戦のようだと思い描きました。」
   
サラリーマンをモチーフに現代を風刺する石井。その作品に込められたデザイン・コードとは…

【現代の浮世絵】

「浮世絵とは江戸時代に描かれた、当時の暮らしぶりがわかる風俗画なんです。葛飾北斎が江戸の社会を描いたように、私は平成の社会を描いています。」

サラリーマンの出世争いを山登りに見立てた『Thread of Time』。プラットホームで侍が素振りをしている様子を描いた『On the Platform』では、侍が振り回しているのは、刀ではなく傘。

「サラリーマンがプラットホームで週末のゴルフに向けて練習している姿を侍に見立てて描いた作品です。」

石井は、サラリーマンと侍には共通点があるという。

「現代の企業戦士が、家族や会社のために一生懸命に働く姿を見ていると、侍の魂は継承されているんだなと思いますね。」