Design code

毎週土曜 夜

放送内容

2016.06.11 #112

山本高樹(やまもと たかき)
[ ジオラマ作家 ]

懐かしさが漂う駄菓子屋さんのジオラマ。棚に置かれたお菓子一つ一つまで緻密に作り込まれている。生み出したのは、昭和のレトロな風景を得意とするジオラマ作家・山本高樹。
山本はわずかに残った資料をもとに忠実に風景を再現する。

「当時のお菓子のパッケージやホーロー看板はどういうものだったのか細かいところも資料を調べて作っています。」

50年前の新軽井沢駅を再現した作品『草軽電鉄 新軽井沢駅』も、モノクロ写真など古い資料を念入りにあたることで屋根の材質まで再現したという。

「私が持っていた新軽井沢駅のモノクロ写真だけだと、屋根がトタンなのか瓦なのかわからなかったので、写真を何枚も何枚も探しました。すると一枚だけ屋根に瓦が写っている写真があったので、屋根の瓦を再現できました。」

リアルな風景を追求する山本の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…

【人はデフォルメ】

リアルな建物とは対照的に、人物をデフォルメすることで作品に活気が出るという。
例えば、そばを何枚も担いで自転車に乗るおそば屋さんは…

「当時のそば屋さんの“何枚でも担げるぞ”っていう勢いを表現するために体を大きく作っています。」

酒場で一杯、会社帰りのサラリーマン達は…

「この頃は景気が良くて、どんどん給料が上がる時代だったんですよね。その頃のサラリーマンの“日々、楽しい”という表情をわかりやすくするために顔を大きくしてあります。」

しかし、昭和へのこだわりはあくまでも作品だけの話のようで…

「昭和といっても不便でしたから戻りたくはないですね。幻想のまま箱庭にしとくのが一番いいですよ。」