鈴木一太郎(すずきいちたろう)
[ 彫刻家 ]
古代ギリシア彫刻をモチーフにした作品『ラオコーン像』。近くから見ると…色の違う四角い点で構成されている。生み出したのは、彫刻家・鈴木一太郎。
「テレビゲームがすごく好きだったので、テレビゲームのキャラクターのような彫刻が作りたいと思いました。」
作り方は…
「画像を編集しながら、図案を作っていく感じになります。」
元の画像の、画質を荒くし、四角い点の集合体にする。それを3Dソフトで立体化した設計図をもとに、色の違う角材を積み上げていく。古代の名作をアレンジした独創的な彫刻。そこに込められたデザイン・コードとは…。
【虚構を現実化】
「虚構の世界の物をそのまま現実に表してしまうものなんです。僕らの世代には実際に現場に行くことよりも、インターネットを通して見たイメージの方が、リアリティーがあると思ったんですよね。」
古代彫刻を忠実に再現するのではなく、ネットで見た時のイメージを形にするという鈴木。ダビデ像の頭をモチーフにした作品も近くから見ると…角材がでこぼこに組み上げられている。
「正面から見ると普通のダビデ像のように見えるんですけど、斜めや、後ろから見たときは全然違う形になっています。テレビの画面だけでは、本当のことはわからないと思うので、彫刻というものが現場に行って楽しむものだということを考えてほしい。」