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鈴木
[ ケーキデコレーター ]

2015.05.09

 

鈴木 恵(すずき めぐみ)
[ ケーキデコレーター ]

ピンク、白、青、金、紫など、カラフルに彩られた1足のスニーカー。実は全て食べられるケーキ。作ったのは、ケーキデコレーター 鈴木恵。鈴木が作るのは、オーダーメイドのデコレーションケーキ。

「スニーカーケーキの作り方は、砂糖と水飴を混ぜて練った柔らかい生地を、靴の形をしたスポンジケーキの上にかぶせて形を整えます。そこに同じ生地で作った靴ひもやロゴなどのパーツを付けていき、10時間程で作り上げます。モチーフは、アニメキャラクターや人物、服や靴などのファションアイテム、車やバイクなどの機械といったように、依頼主によって様々で主に誕生日や記念日の贈答用で注文される方が多いです。私が好きなモチーフは一眼レフカメラや公衆電話など機械が多いですね。」

年間700ものケーキを作る鈴木。リアルさを出す秘訣は、モチーフの徹底的な観察。

「例えば鞄のケーキであれば、実際に鞄の売り場へ行き、ショーケースにへばりついて目を凝らして、形を解読するまでずっと見ています。“もらった人に喜んでほしい”という気持ちが一番大きいので、リアルさを追求できるように毎日努力しています。」

どんな物でも忠実に再現できるという鈴木のケーキ。そこに込められたデザイン・コードとは…

【渡す人の気持ちを届ける】

「これは海外へ留学する娘さんにお母さんがプレゼントした『リュックケーキ』です。娘さんがいつも背負っているリュックを再現しました。土台には留学先であるスイスの地図を描いて橋渡しになれるように、“夢をたくさん詰め込んでいくリュック”というイメージで作りました。『ラジカセケーキ』はDJの方の誕生日に。DJの方がケーキにかぶりつく写真を送ってきてくれました。すごく喜んで驚いてくれました。」

北海道小樽市で暮らしながら、全国から殺到する注文に応える鈴木。いつか東京で叶えたい夢がある。
「洋服屋さんのお店にある全てをケーキで再現した、そんな個展をやってみたいですね。」