50

吉田 ユニ
[ アートディレクター ]

2015.03.21

 

吉田ユニ(よしだ ゆに)
[ アートディレクター ]

青、黄色、赤…6枚の木村カエラの顔写真を重ね合わせて1つの顔になる、奇妙なCDジャケット。デザインしたのは、アートディレクター吉田ユニ。国内外の一流メーカーから広告の依頼が舞い込む吉田。得意とするのは、女性の顔や体をモチーフにしたデザイン。

「作品『THE ALPHABET』は、人の体を使ってアルファベットを表現した作品です。人の手では作ることができない、体のパーツのようなカタチがすごく好きで、見る人を驚かせたいと考えています。また“今までに見たことのない視点”も意識しています。香港のファッションブランドの広告『b+ab FALL&WINTER 2007』は、床下から天井を見上げた作品で、女性ファッションの象徴でもあるスカートを印象的に使い、秋と冬のファッションを表現しました。部屋の中に大きなスカートを履いた女性がいるんですが、冬にそのスカートの中で、犬や猫などの動物が暖まっている様子を表現しました。」

奇抜な作風で、見る者を惹きつける吉田の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…。

【恐怖漫画】

「楳図かずおさんの作品などは、ただ怖いだけではなくてゾクゾク・ワクワク感みたいなものが感じられてすごく面白いですね。自分も美しさの中に潜む恐怖感を無意識の内に作品に反映しているのかもしれません。作品に関しては、“実写”にこだわって撮影しています。見る人が、“これって本当に作っているのかな、CGなのかな?”というような、ちょっとした“違和感”を感じてもらえる作品づくりをしています。作品『UNE ROBE NUE』は、全身裸の女性に、肌のような質感の特殊メイクでネックレスやベルト、ミニスカートやヒールの部分を付け足すことで、服を着ているのか肌の一部なのか分からないという“違和感”を出しています。」

著名な広告賞も手にしてきた吉田だが、何より気にするのは商品の売れ行き。

「ただ“変わったビジュアルだね”と言われるだけではなくて、商品が動く・売れるということが一番の目的なので、そこは常に目指しています。」