小林崇（こばやし たかし）
[ ツリーハウスクリエーター ]

木の上に作られた家・ツリーハウスをデザインする小林崇。20年でおよそ150もの作品を手掛けた小林は、“環境にあった丈夫な家作り”を心掛けている。

「沖縄で作るのであれば、屋根を流線型にすることで風速30mほどの強風を避けるとか、北海道で作るのであれば鉛筆のように屋根を尖らせて、雪の重さを建物に被らせないようにするなど、デザインとその土地の環境は絶えずセットで出来ています。自然環境への配慮も心掛けていて、使う材料もなるべく地産地消しています。静岡の熱海にあるツリーハウスの場合、家具を全てその土地の枯れていた楠で作っているので、部屋に入ると楠の香りが楽しめます。」

自然と一体化し環境に優しい小林のツリーハウス。そこに込められたデザイン・コードとは…。

【五感を開くための装置】

「普段触ったこともないような木に触ったり、匂いがしたり普段では味わえない感覚を味わうことができます。例えばツリーハウスで1時間過ごしたその日の帰りに、道端に落ちている草を見て“あっ素敵だな”と思えるような感覚にさせてくれる力をツリーハウスは持っていると思います。」

忙しい人ほど一度、ツリーハウスを体験してほしいと小林は言う。

「ツリーハウスに入ることで、“日常自分を締め付けているスイッチをオフにできたらいいな”と思います。」