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寺山 紀彦
[ デザイナー ]

2014.12.6

 

寺山紀彦(てらやま のりひこ)
[ デザイナー ]

砂時計の形をした作品『awaglass(アワグラス)』。砂が落ちるのではなく、泡が上がっていく“泡時計”。生み出したのは、デザイナー 寺山紀彦。

「時間を計るものではなくて泡のできる時間を楽しむという時計になります。丸だったり三角だったり四角だったり色々な形がこの中に入っているんですね。泡の美しさを分かって頂けたらと思います。こちらは、散った花びらが水に浮かぶ花瓶『floating flower(フローティングフラワー)』。花びらが落ちることを楽しむ花瓶になります。花はいずれ枯れますが、“枯れた花にも咲いている花に負けないくらいの美しさがあるんだよ”ということを知って頂けたらと思います。」

他人が気づかない自然の美にこだわる寺山の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…。

【作れない美しさ】

「自然は人が作ることが出来ないから美しいです。人間の作れない自然の瞬間を切り取りたいです。こちらは、雑草を等間隔に並べて制作した定規『g,a,r,d,e,n』…雑草ってよく見ると一つ一つ形がバラバラで色も違うし、ディテールが本当に美しくてやっぱりキレイなんですよね。こちらは、かすみ草を等間隔に並べて制作した定規『f,l,o,w,e,r』…別に目盛りである必要もなく、何かが等間隔に並んでいればそれは定規になるので“花”を選びました。アクリルに雑草や花を閉じ込めて定規にして見てみると、本当に美しさが分かりますよね。」

寺山には自らの作品を通して伝えたいメッセージがある。

「“周りにはこんなに美しいものがあるんだよ”というのは見て欲しいですね。」