氷室友里(ひむろ ゆり)
[ テキスタイルデザイナー ]
緑の糸で草原を表現した布。ハサミで表面の糸を切ると…へびや、鳥など、草原の生きものたちが現れる。
この作品を生み出したのは、テキスタイルデザイナー・氷室友里。
「生地が二重になっていて、表面の糸を切り取ると柄を変化させることができます。人を楽しませたいという思いで、ひたすら作っていました。」
糸の種類や縫い方を緻密に計算し、デザインする氷室。
岡山の森がモチーフの作品は…
「杉の木は葉っぱにあたる部分の糸の真ん中を切っていくと、葉っぱに立体感が生まれて盛り上がったような表情になります。」
完成までに1年費やすこともあるという氷室。
その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【自分だけの風景】
「自分だけの風景が作れるようなイメージです。」
氷室の作品は、切り方ひとつで風景を自由自在に変えることができる。
フィンランドの雪景色をモチーフにした作品は…
「切り方によって、その湖のサイズが大きくなったりとか、雪に埋まっているように見えたりとか、ギザギザに切っていくと泳いでいる人の勢いが現れたり、切れ目を入れるように切っていくと雪のしぶきのような表情も作れます。」
人を楽しませることが好きな氷室の一番の楽しみは、子どもたちとのワークショップ。
「参加した子どもがお手紙を書いてくれたこともあって、それは凄く嬉しかったです。」