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入江 明日香
[ 銅版画家 ]

2019.01.26

 

入江明日香(いりえ あすか)
[ 銅版画家 ]

和紙に描かれた甲冑を着た女性。注目すべきは、その甲冑。
実は…現代の日本橋付近を写した版画から、ビルの一部分を切り取って甲冑の模様として貼り付けてある。この独特の技法を生み出したのは、銅版画家・入江明日香。

「それまで自分で作ってきた版画を貯めていたのですが、それを捨ててしまうのももったいないので綺麗なところだけ切り取って、切ったり貼ったりすることを始めました。独特な質感とか、スーッと流れるようなグラデーションとか、版画でしか出せないものだと思います。」

過去に作った版画を切り貼りして生み出される入江の作品。
そこに込められたデザイン・コードとは…

【思いがけない発見】

「思いがけず『これがここに使える!』」

下書きした後に、使えそうな版画を探すという入江。
傘をモチーフにした版画は、少女が抱える鳥の羽根に。

「傘の骨の部分が、意外に鳥の羽の部分にピタッと来るように見えたので使いました。」

一つの作品に、草花や鳥など50種類以上の版画を使うこともあるという。

「作品を見るときには、『ここに何かが隠れているんじゃないか』というのを探しながら見て頂きたいと思います。」