濱 直史(はま なおふみ)
[ 切り絵作家 ]
色とりどりの花のような模様があしらわれた折り鶴。よく見るとその体は、わずか0.3ミリの線でつながった切り絵でできている。作ったのは、切り絵作家・濱 直史。折り紙の定番・鶴や風車などをモチーフにした作品は、その名も…
「立体切り絵です。」
「みんながよく目にしていた折り紙に切り絵を施すと全く見たことのないものになると思っています。」
パソコンで作った平面図に、手書きで模様を描き、切り出していく。その作業は繊細さと強度の両立が難しいという。
「細く細かく繊細にしたいのですが、折った時に立体として成り立たなければいけないので、その辺りの強度計算がちょっと難しいです。」
繊細な美しさを追求するあまり、1つの作品に1ヶ月かけることもある濱。
その作品に込められたデザイン・コードとは…
【影】
「立体の良さは、影だと思っています。」
作品自体はもちろん、その影の美しさにも注目してほしいという。
「いい意味で不規則というか、自然現象が表現してくれる切り絵の美しさがあると思います。」
どんなに細かい部分も、手で切ることにこだわる濱。理由がある。
「手で切るからこそのいびつさ。機械で切ったのとはまた別の美しさを見せられたらいいかなって思っています。」