小松宏誠(こまつ こうせい)
[ アーティスト ]
風を受けふわふわと宙を舞う黒い物体。よく見ると、鳥の羽を組み合わせて作られている。
手がけたのは、小松宏誠。鳥の羽を使いインスタレーション作品を生み出すアーティスト。
「羽は、鳥が空で生活するために進化してたどり着いた究極の形なのですが、自分の手で浮かせるのはすごく時間がかかりました。」
羽で作品を作り続けて14年。設計図は、ほとんど作らないという。
「同じ形の羽は2つとないので、頭で考えたり絵で描いてみても、全然想定通りにはならないです。作りながら完成形に近づいていくことが多くて、本当に手だけでチャレンジしていく感覚です。」
1枚の羽から、発想を膨らませていくという小松。
その作品に込められたデザイン・コードとは…
【偶然の出会いを待つ】
「思いがけないことに出会うのを待っている感じがありますね。」
素材である羽根と向き合ううちに、いろいろな発見があるという。
白い羽で作った作品は…
「置いていた羽が、たまたまエアコンの風で動いたので、こんなに少しの風でも動くのは面白いなと思いシャンデリアにしてみました。 作ってみると、たくさんの影が出てくることを発見して、すごくラッキーでしたね。」
作品に欠かせない「風」に感謝をしているという小松。
しかし時には…
「家の中に突風が吹きこんで、組み上げたものがふっとんだりすることがありました。台風の時は大変でしたね。」