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貴春
[ 陶芸家 ]

2018.09.01

 

堀 貴春(ほり たかはる)
[ 陶芸家 ]

白い陶器のワイングラス。脚の部分が不思議な形をしている。実はこのワイングラス、“ゾウムシの脚”がモチーフとなっている。 生み出したのは、陶芸家・堀 貴春。

「一般的に昆虫は気持ち悪いと思われる方が多いと思いますが、ゾウムシの脚は関節部分だけがぷっくり膨らんでいて、その曲線が綺麗だと思っています。」

持ち手の部分が角張ったマグカップは…

「“カブトムシの前足”がモチーフです。カブトムシと聞くとツノに目が行きがちだと思いますが、実は、前脚が後ろ脚よりも2倍ぐらい太くなっています。その太い前足が僕の中では魅力ですね。」

昆虫の体のパーツを作品に取り入れる堀。その作品に込められたデザイン・コードとは…

【究極のフォルム】

「虫の形は“究極の洗練された形”だと思います。自然界を生き延びるために何千年何万年も進化してきて今の形になったので、言わば“最新の形”でもある。その形を僕は作品に取り入れています。」

光にかざすと網目状の模様が浮かび上がる器は…

「トンボの複眼がモチーフになっています。土にガラスの粉を混ぜることによって、トンボの目のきらめきを表現しています。」

昆虫の洗練されたパーツに魅力を感じる堀だが、作品を手に取ってくれた人の中には…

「『虫が嫌いです』っていう人もいたりして、笑いながら引かれることもあります(笑)」