やぎ~ぬ
[ 彫紙アーティスト ]
さまざまな形に切り抜かれた色の違う17枚の紙。これを一枚ずつ重ねていくと…出来上がったのは、瑞々しい1粒のイチゴ。作ったのは、やぎ~ぬ。色付きの紙を何枚も重ね、上から順に紙を彫るように切り抜いていく「彫紙(ちょうし)アート」と呼ばれる技法で作品を生み出す。
「紙を重ねて切り抜くだけで立体的な表現が出来るのがすごくおもしろいなと思ったので、この方法で制作しています。食べることが大好きなので、食べ物をモチーフにすることが多いです。」
食べ物を紙で立体的に表現するやぎ~ぬ。その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【シズル感】
『シズル感』とは、食べ物を美味しそうに見せるための演出技法のこと。やぎ~ぬは、食べ物が一番美味しそうに見える瞬間にこだわっている。例えば、レモンは半分に切り、手で果汁を絞った瞬間を作品で表現した。
「本物らしく見えるような配色を心がけています。鮮やかな色の紙とくすんだ色の紙をうまく組み合わせていくことで、よりリアルな質感に仕上がっていると思います。」
ラーメンは、麺が箸に絡まる様子を立体的に表現するため、30枚以上の紙を重ねて制作。
「箸で麺を持ち上げた時にラーメンが一番美味しそうに見えたので、その様子を表現しました。紙を多めに重ねることで麺の立体感を表現しています。」
美味しそうな見た目にこだわるやぎ~ぬ。一番嬉しいのは…
「展示会で私のラーメンの作品を見て『作品を見た後に思わず、ラーメンを食べに行っちゃった』という方もいました。それを聞いた時は嬉しかったですね。」