大小島真木(おおこじま まき)
[ アーティスト ]
3メートル四方の巨大な森の壁画。しかし、よく見ると中央部分だけキャンバスに描かれている。実はこれ、キャンバスからはみ出し、壁に絵を描いた“はみ出し壁画”という作品。描いたのは、アーティスト 大小島 真木。キャンバスに描いた自分の絵からインスピレーションを受け、キャンバスの周りに絵を描き足していく独特の手法で作品を制作している。
キャンバスに描いた森の絵から下にはみ出し描いたのは、数十羽もの色鮮やかな鳥の羽。
「森って一見、動いていないように見えますけど、長い時間を掛けてゆっくり成長して動いていると思うんです。そのイメージをキャンバスの下に羽を描くことで表現しています。」
1枚の絵から発想を膨らませていく大小島。その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【絵が成長する】
キャンバスの絵が起点となり、絵の世界観がどんどん広がり、やがて、大きなテーマが見えてくるという。例えば、“動物の死”を描いたキャンバスからはみ出し描いたのは、“植物”。さらに、その植物から“人間の骨”を描き、部屋全体を使った作品「万物の眠り、大地の血管」になった。
「生と死の循環を繰り返している動物や植物を、私たちは食べて生きていると思ったので、空間全体を使って人の骨格を描いたんです。」
1つのキャンバスから“食物連鎖”という大きなテーマに辿り着いた。
この手法の一番の魅力があるという。
「枠を外れて無限に描いていける。それが、すごく気持ちいいですね。」