松下萌子(まつした もえこ)
[ チョークアーティスト ]
妖艶(ようえん)な女性の後ろ姿…実はこれ、モノクロ写真ではなく黒板にチョークで描かれた絵画。
生み出したのは、チョークアーティスト 松下萌子。
リアルに描くために意識していることがある。
「陰影を強くすることで、より立体的に見えるように描いています。」
黒の背景に描くことで浮き上がるような立体感が出るという。
松下はおよそ100色ものチョークを駆使し、独特の色を生み出す。
「黒や紫のチョークなどいろんな色のチョークを使って描いています。
色を塗る時は、おおまかに黒板に色を塗ったらそれを指でこすります。そうすると黒板の上で色が混ざり、複雑な色を表現できたりグラデーションを描くことができるんです。」
チョークで見たものを魅了する松下の作品。
その作品に込められた、デザイン・コードとは…
【動き出す瞬間】
何か物語が始まりそうな、そんな瞬間に惹かれるという松下。
「金魚を描くにしても尾びれが“ふわっ”となっている瞬間を描いたり、花を描く時も花びらが開いている途中だったりそういう瞬間を描いています。」
一瞬の美しさを切り取る可憐な指先。そこには秘密が…
「黒板を指でこするので、皮がむけることはよくあります。作品を作るためには手も気にしていられないですね。」