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大塚
[ 彫刻家 ]

2017.07.22

 

大塚 亨(おおつか とおる)
[ 彫刻家 ]

金色に輝く牛乳パック…実は、木彫りの彫刻作品。
生み出したのは大塚 亨。作品制作の傍ら、ある本業を持つ。

「普段は仏像を制作しています。仏像彫刻の技術や彩色を使って作品を制作しています。」

漆や金箔など仏像彫刻に用いる素材を使い、日用品をモチーフにした作品を作る。

「仏像と同じ材料や素材を使っているので、かかるコストは大きいですね。」

手間と費用をかけて作られる大塚の作品。
そこに込められた、デザイン・コードとは…

【仏像のように日用品を彫る】

「仏教には“全てのものは、いずれ朽ちていく”という“無常”という教えがあるんです。
日用品を仏像のように彫る事で、“仏像も日用品も全て朽ちていく点では同じ”ということを表現しています。」

朽ちていく様子を表現するため、あえて作品の塗装を削ったり、はがしたりすることもある。

使い終わった卵のパックも、履き古されたブーツも、仏像と同列だと考える大塚。
制作中にふと思うことがあるという。

「全然何の役にも立たないかもしれないですけど、仏壇に僕の作品があったら面白いなと思います。」