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落合 陽一
[ メディアアーティスト ]

2017.03.18

 

落合陽一(おちあい よういち)
[ メディアアーティスト ]

テーブルの上を浮遊する鉄の球。これは、磁石の反発を利用したアート作品。
作ったのは、テクノロジーとアートを融合させたメディアアートのトップランナー、落合陽一。

「“なんだこれ?”っていう違和感。俺はね、これまで見たことがないものが見たいんですよね。モノを浮かしてみたいとか空中に映像を出してみたいとか、それをずっとやっています。」

実現困難とされてきた透明なスクリーンに映像を映し出す技術も、落合はある方法で実現。

「作品『A Colloidal Display』は最終的にシャボン膜を使って作りました。シャボン膜に映像を投射しただけでは映りませんが、スピーカーから出した超音波でシャボン膜の表面を高速で振動させることで映像を映し出すことが可能になりました。」

画期的な装置で見たことのないアートを生み出す落合。その作品に込められたデザイン・コードとは…

【二次元→三次元】

「二次元だったものをどうやって三次元にしていくかっていうのがキーワードだと思います。CGみたいなものを、現実の世の中に持ってきたら面白いだろうなと思っているんです。」

まるで魔法のように白い粒子が手に触れることなく浮き上がる作品『Pixie Dust』。
その仕組みは…

「四方向に設置したスピーカーから超音波を出し、その強さをコントロールすることで粒子を自在に操れるようにしています。すごく有り体の馬鹿げた感想なんですけど“うわ、浮いてる!”って思いましたね。」

“現代の魔法使い”とも呼ばれる落合。常に未来を想像しながら作品を作っている。

「僕の作品は今見たら魔法っぽいと思うんだけど、きっと22世紀の人が見たら普通だと思うんですよね。“モノが浮くって普通だよね”くらいの感じ。そういった新しい価値観を創っていきたいですね。」