原田和明(はらだ かずあき)
[ オートマタ作家 ]
木箱にのった木製のカモ。木箱のハンドルを回すと…卵を産む。作ったのは、オートマタと呼ばれる西洋のからくり人形を作る作家、原田和明。
『パンドラの匣(はこ)』という作品では、ハンドルを回すと木箱の中から突然、栗が飛び出す。
「“クリ”が出てきて“ビックリ”というダジャレがモチーフの作品です。
僕は大笑いしてもらえる作品より、“クスッ”と笑ってもらえる作品を目指しています。」
からくりの動きはシンプルだが、動きを実現するために使う部品はおよそ50個。
「部品はすべて手作りしています。誰も作っていない作品を一から作るので、部品はそもそも存在しないんです。だから、自分で作るしかないんです。」
完成までに2か月もかかるという原田の作品。
そこに込められたデザイン・コードとは…
【観葉植物】
「観葉植物のように長く見ていても飽きることがない作品を作りたいです。」
何度も見たくなるような動きをとことん突き詰める原田。
ウサギが投げキッスをする作品『キス』では…
「オスとメスのウサギが投げキッスを何度も繰り返す作品です。同じ動きを繰り返せば繰り返すほど、面白みがじわっと増してくるような動きを作品に取り入れています。」
ブタがダンベルを持ちエクササイズしている作品『エクササイズ』は、ブタの表情がポイント。
「“ハアハア”と息切れをしている表情を作りました。“一生懸命エクササイズしている姿を見ていると、嫌なことを忘れて、癒される”と言ってくれたお客さんの声が忘れられません。」
作品を見る時は、制作工程も思い浮かべてほしいという。
「“ダジャレを作品にするために、この人ここまで手の込んだことをするのか”ってそういうところも含めて、クスって笑ってもらえるとすごく嬉しいです。」