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清水 陽子
[ アーティスト ]

2016.11.26

 

清水陽子(しみず ようこ)
[ アーティスト ]

絵画『真珠の耳飾りの少女』が描かれているのは…一枚の葉っぱ。生み出したのは、アーティスト 清水陽子。

その仕組みは…まず絵が描かれた透明シートを葉っぱに置き、光を当てる。すると透明な部分だけが、葉っぱに光があたり光合成が行われ、でんぷんが作られる。そのでんぷんに反応する着色料をかければ、絵が浮かび上がる、というもの。

「光合成っていうのは、いろんな研究がされているんですけど、あまりアートとかデザインで研究されるということが少ないと思ったのでやってみました。」

大学で学んだ生物学を作品に生かす清水。逆さまに設置した鉢から生えているチューリップは、根元がUの字に曲がり、上向きに生えている。

「植物は、逆さまになったとしても重力に逆らって必ず上を向いて生えるという機能が備わっています。その様子が力強いなと思って作ってみました。」

自然現象を利用した奇抜なアート。そこに込められた、デザイン・コードとは…

【気づかなかった自然の力】

「普段、何気なく目にしている自然にも、すごい力が備わっているので、私の作品を見ることでそのことに気づいてほしいです。」

容器の中に描かれている“ART”という文字は、イースト菌でできている。

「イースト菌って最初は目に見えないんですけど、培養をすると、およそ24時間で目に見えるほど増殖するんです。ものすごいスピードで増殖する生命のたくましさに、感銘を受けて作った作品ですね。」

自然界で作品のテーマを探し続ける清水。将来の夢は…

「いつの日か人類初の宇宙でアートラボをやりたいですね。」