松井えり菜(まつい えりな)
[ アーティスト ]
えびちりを前に、恍惚(こうこつ)の表情を浮かべる女性の絵画。フランス・パリの美術館に展示され、賞賛をあびた話題作。描いたのは、アーティスト 松井えり菜。
「『えびちり大好き』という作品なんですけど、私が好物を前にして“よだれが出そう”という表情を描いた作品です。」
松井の作品に欠かせないのが、自分の“変顔”。学生時代、変顔の写真をクラスメイトに見られたことが創作の原点。
「私の変顔の写真を見て、普段はしゃべらない子、暗い子、ヤンキーみたいな子、みんな笑っていたんです。変な顔でクラスの心が一つになった瞬間でしたね。」
見る者を笑顔にする変顔アート。そこに込められたデザイン・コードとは…
【日常】
「日常のちょっとした出来事をオーバーに捉えて作品に描いていますね。」
例えば、歯を鍵盤に見立てた作品『ピアノコンチェルト』は…
「おにぎりを食べた時に、歯に海苔がついたのを見て、ピアノの鍵盤に見えたので描きました。この作品、絵の後ろに電子基板がついているので、触るとピアノの音が鳴るんですよ。」
キスをする2つの顔がくっついた作品『コンフュージョン』は…
「ちょうど彼氏ができた時に描いた作品で、左がキスを待つ顔で右がキスを迫る顔ですね。キスを待っているけど迫りたいという2つのもどかしい気持ちを表現しました。」
最近、展示会が増えたという松井にはある楽しみが。
「私の絵の前で“自分もできるのかな?”って変顔をする方が多いんですよ。
そんな瞬間を見ることが好きで、私は絵を描いているのかもしれないですね。」