1983年作曲。戦争によって引き裂かれたハワイ日系移民家族の姿と、それぞれの想いを描いた、実相寺昭雄監督、倉本聰脚本テレビドラマです。1996年、それらの音楽を再編曲し出版された「オーケストラのための波の盆」より演奏します。

1957年作曲。東京交響楽団からの委嘱作品で、1955年に急逝した師でもあり友人でもあった早坂文雄氏に捧げられました。この作品に対し、武満はこのように話しております。
「僕は、この『レクイエム』という題を、『メディテーション』としてもよかったのです。瞑想という言葉が神への排他的な専心を意味するように、一物に専念したい僕の気持ちが、この題を択んだのです。ですから特定の人の死を悼んでこの曲を書いたのではありません。しかし、僕はこの曲を書きながら、しばしば早坂文雄氏を憶い、その死を悼みました」

1992年作曲。小澤征爾とサイトウ･キネン･オーケストラにより「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」第1回オープニングのために委嘱された、笙とオーケストラのための作品です。
笙は序奏と後奏に登場するのみですが、オーケストラと一続きの関係にあり、風がゆっくりとたゆまず動くよう演奏されます。また、フルートとオーボエ各1名ずつ3組が、客席後方のできるだけ高い場所で演奏するよう、指示されています。