1900年ころの作品とされていますが日本語では「あなたが欲しい」。パリ音楽院で勉強したエリック・サティの作品の中で、この曲は「ジムノペディ」と並んで人気がある一曲ですが、メロディーを聴くとパリの香りが漂ってきそうです。美しく単純な旋律とワルツのリズムが聞き手に自由なインスピレーションをかきたてます。もともとシャンソンとして作曲されましたが、ピアノ独奏曲として、今や世界中で愛される代表的なピアノ曲の一つになっています。
初演は1925年で、一般的には「イ調のセレナード」として知られているピアノのための独奏曲です。
その第2曲である「ロマンツア」は、本来のファンタジーのジャンルに含まれる曲ではありませんが、この曲をあえて“ファンタジー”としてマドレーヌ・マルローさんが弾くのには、理由があるようです。今回はそのお話も聞かせていただきました。
幻想曲というジャンルは特定の形式に束縛されることのない自由な構成が特徴とされますが、モーツァルトの時代の幻想曲というジャンルは、バッハの時代のトッカータやフーガと同じように次に演奏される曲の前に試奏する“導入”としての性格ももっていて、この幻想曲ハ短調K.475と、ピアノソナタK.475は、1785年の初版で併せて出版されました。
幻想曲K.475は、ピアノソナタK.475を導く役目を担っていて、続けて演奏されるようになっていますが、単独でも演奏される機会も多く、内容は5つの部分からできています。
1.アダージョ 2.アレグロ 3・アンダンティーノ 4.ピウ・アレグロ 5.テンポ・プリモ

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