題名のない音楽会 毎週日曜あさ9時

2月16日の楽曲紹介

♪1:ヴァイオリンとオーケストラのための「詩曲」より
作曲 : E.ショーソン
ヴァイオリン : 庄司紗矢香
     指揮 : 佐渡 裕
     演奏 : BBCフィルハーモニック
ショーソンは19世紀後半のパリで活躍した作曲家。44歳の生涯ながら幅広いジャンルに作品を残した。現在では、「詩曲」がヴァイオリニストの主要レパートリーとして数多く演奏されている。もともとツルゲーネフの小説「愛の勝利の歌」を標題とする交響詩として着想されたが、後に標題を取り去って、純粋な器楽曲「詩曲」として発表。物語を想像させる旋律が曲の魅力。同時代の名ヴァイオリニスト、イザイに献呈・初演。ヴァイオリニストの魅力を存分に引き出した作品。
♪2:夢想とカプリス
作曲 : L.H.ベルリオーズ
ヴァイオリン : 庄司紗矢香
     指揮 : 佐渡 裕
     演奏 : BBCフィルハーモニック
フランスのロマン主義を代表するベルリオーズは「幻想交響曲」など大規模な管弦楽を得意としたが、30代中頃に作曲された「夢想とカプリス」はベルリオーズの極めて珍しい独奏的楽器用の小品。彼の作品のほとんどは標題を持ち、この曲にも作曲者による次のような標題がある。『優しい光の中で男が夢想している。彼の心は苦痛と狂気と疑いに満ち、愛を渇望している…』男の夢想から始まる物語は「幻想交響曲」と共通。独奏ヴァイオリンが、主人公のイメージに重なる。庄司紗矢香はこの曲から作曲家の込めた文学的要素を強く感じ「オペラ歌手」になったかのように演奏。