題名のない音楽会 毎週日曜あさ9時

5月22日の楽曲紹介

♪1:「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」 第2楽章 より
作曲 : J.ブラームス
♪2:「ヴァイオリン協奏曲」第22番 イ短調 第1楽章 より
作曲 : G.B.ヴィオッティ
29曲あるヴィオッティの協奏曲の中で一番親しまれ、ヨアヒムやブラームスも好んでいた。
♪3・4:「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」 第1楽章 より
作曲 : J.ブラームス
通常は楽章の後半にあるカデンツァ(独奏部分)が、この曲では、ブラームスの苦しい心情を吐露するかのようにチェロの独奏(独白)で始まる。
ふたつの独奏楽器が、まるで対話をしているかのような表現に注目。
♪5・6:「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」 第3楽章 より
作曲 : J.ブラームス
1887年に作曲、同年10月ブラームス本人の指揮とヨアヒムのヴァイオリン独奏、ハウスマンのチェロ独奏によりケルンで初演し、大成功を収めました。1886年に交響曲第4番が出版されたあと、第5番の交響曲として構想をしたものが、「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」に変更されました。それには訳がありました。
親友でヴァイオリンの名手ヨアヒムの離婚問題が起きたとき、ブラームスの書いた妻側を擁護する手紙が法廷に提出されてしまい、結果妻側に立つことになったブラームス。ヨアヒムとの仲が不和になり、この状況をなんとかしなければと考えたブラームスは、次の第5交響曲にと考えていた素材を、ヴァイオリンとチェロの協奏曲に変更、ヨアヒムの助言を求めて「仲直り作戦」に出ることにしました。
そしてこの曲がブラームスの生涯で最後の管弦楽曲になってしまいました。
ふたりをよく知るクララ・シューマンは、この曲を「仲直りの協奏曲」と呼びました。
ヴァイオリン : 豊嶋泰嗣
チェロ : 古川展生
指揮 : 佐渡 裕
演奏 : 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団