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社長定例会見

早河洋会長兼CEO 角南源五社長 会見(3月26日)要旨

2019年3月28日

                             2019年3月26日(火)                        
2019年3月26日 定例会見要旨


※2018年度を振り返っての所感と新年度の抱負を。
早河会長:2018年度は、営業的にはスポットが低調で厳しい一年だった。シェア23.2%の見込みだが、これは健闘したとも言えるが、広告収入の全体としては減収という結果になりそうだ。電通集計の「日本の広告費」で見ると、地上波の広告費は(前年比)98.2%である一方、インターネットの広告費が116.5%と5年連続二桁の伸びだ。広告費のネットへの傾斜が目立ち、2019年度はテレビを超える見通しだ。総広告費はここ7年増え続けているので、解決策はメディア価値を高めることと、インターネットとの連携でどれだけ売上を増やせるかということだと思う。テレビ朝日で言えば、AbemaTVとのコンテンツ面と営業面での一枚岩の連携がカギになると思う。シニア層に強いテレビ朝日と、10代から30代に評価されているAbemaTVが手を組むべく、番組連動も開始した。高齢化社会の中で、可処分所得の大きい「アクティブシニア層」をターゲットにして、広告主と連携して独自の営業サービスの開発を進めていきたい。視聴率は、全日、ドラマの貢献が目立った一年だった。「グッド!モーニング」や「羽鳥慎一モーニングショー」が民放トップレベルの視聴率で縦の流れを作り、全日は週平均では51週のうち22回トップを獲得した。10月クールは、開局以来4回目のトップとなった。番組では「リーガルX〜元弁護士・小鳥遊翔子〜」「特捜9」「未解決の女〜警視庁・文書捜査官〜」「科捜研の女」など、各クールの連続ドラマが民放上位にランクインしたほか、「相棒」が2クール平均15.3%を獲得、放送開始からでは326話平均16.1%という驚異的数字を獲得した。また、一大ブームを巻き起こした「おっさんずラブ」は、広告が振るわぬ中、DVDや出版、イベントなど高い収益をあげた。土曜ナイトドラマの新設と若手の起用が功を奏した形で、大変うれしいブレイクだった。日曜日の「ナニコレ珍百景」とABCテレビの「ポツンと一軒家」が高視聴率で、日曜プライムへの流れを作ったのが大きい。月曜日の「帰れマンデー見っけ隊!!」や水曜日の「ミラクル9」等も健闘した。ゴールデン、プライムでは前年比それぞれ0.6%のアップになった。来年度の抱負だが、やはり2月1日に開局60周年を迎えて、記念イヤーになり、記念番組をまず成功させたい。「やすらぎの刻〜道」は15回分を見たが、主人公の夫婦が暮す山梨の自然が、(前作の)「やすらぎの郷」とは違う広がりと深みをドラマに与えていて、戦前戦中戦後の主人公夫婦の歩みが、1年間に渡って視聴者に強いメッセージを与える内容になっている。また「科捜研の女」は沢口靖子さんやスタッフの熱量が半端ではなく、ロケーション中だが期待をしている。5夜連続の「白い巨塔」は名匠と言っていい鶴橋康夫監督により、大変面白く仕上がっている。最終編集中で、岡田准一さん、松山ケンイチさんの熱演も素晴らしい。ほかにも60周年の大型番組を用意している。レギュラーでは、「特捜9」「緊急取調室」に高視聴率を期待している。また年内に公開が予定されている「おっさんずラブ」の映画とドラマの第2シリーズのコラボレーションも楽しみにしている。4月から「ワイド!スクランブル」に大下容子アナウンサーの冠をつけた。去年10月のリニューアルで他局と互角に渡り合う上昇基調になっていて、さらなる飛躍を期待しての措置だ。絶好調の朝帯の「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」、堅調の「スーパーJチャンネル」、復調気味の「報道ステーション」、5つのベルトともトップを走っていきたいと思う。来年3月まで60周年記念イヤーは、全体に元気で明るいテレビ朝日として走り抜けていければと思う。
※アクティブシニア層をターゲットとの言及があったが、具体的には。
早河会長:最近のテレビ朝日は、M2層、F2層、例えば「グッド!モーニング」もだいぶ増えている。いわゆるF1層、M1層は深夜の番組で評価されているが、どちらかと言えばやはりシニア層、高齢層がファンの多くを形成していると思う。高齢化社会になると、少子化の時代のため子供が減って、上の年齢層の割合が膨らんでくる。その人たちは実はお金を持っている。企業もアドバタイザーもその人たち向けに商品やサービスを提供するだろう。シニア層を得意とするテレビ朝日が、アドバタイザーと連携して広告展開ができればいいのではないかと考えている。
※地上波の広告費を来年インターネットが抜くのではとの言及があったが、今後テレビはいろいろな媒体の中のひとつの選択肢に過ぎなくなるのか。
早河会長:世界的な傾向で、ネット広告が地上波の広告を抜いている。今後テレビの広告費が増えるということはなかなか考えにくいが、それでもシェアとしては30%近くあって、テレビ(受像機)を買わない人たち、若年層もいるが、テレビを自宅で見るという長い習慣はそんなに簡単には崩れないと思う。結局はコンテンツが大衆に受け入れられるかどうか。テレビもライフラインとしての災害報道など、ネットでそう簡単にできない機能、特性を持っているので、それを磨いて、視聴者のニーズに応えれば、生き残っていけるのではないか。その上でAbemaTVと連動するのが、良い組み合わせではないか。
※最新の視聴率について。
亀山専務:年度平均だが、全日が7.7%、ゴールデンが10.5%、プライムが10.6%、プライム2が5.5%で、残り6日となるが、この形で終了と見込んでいる。1月クール平均だが全日7.8%、ゴールデンが10.9%、プライムが10.9%、プライム2が5.8%で、こちらも全区分2位という状況だ。ドラマでは「相棒season17」が1月クールの民放連続ドラマで1位、「刑事ゼロ」が2位、「ハケン占い師アタル」が6位だった。バラエティでは、日曜の「ナニコレ珍百景」「ポツンと一軒家」が前クールを上回る形で推移している。全日帯では、引き続き「羽鳥慎一モーニングショー」「グッド!モーニング」が好調だ。今後の放送予定だが、まず3月30日、31日に、二夜連続スペシャルドラマ「名探偵・明智小五郎」を放送する。開局60周年記念番組として、スポーツでは福岡で開催される「世界フィギュアスケート国別対抗戦2019」を4月11日より4日間。5月には「白い巨塔」を、22日から5夜連続で放送を予定している。
※営業状況について。
角南社長:2月の営業売上は、タイムは前年比90.5%、スポットは102.7%、トータルでは96.8%で確定した。タイムだが、レギュラー番組のベースダウンに加えて、昨年の平昌五輪の反動減もあり、前年から大きくマイナスとなった。スポットだが、東京地区は104.5%とプラスとなったが、昨年が平昌五輪の影響で低調だったことを鑑みれば、好調といえる市況ではなかった。当社の売上は、昨年同月が高シェアだったことの反動もあり、前年は上回ったものの地区には届かず着地した。3月の営業売上は、タイムは前年比100%±α、スポット94%±α、トータル96%±αとなった。タイムだが、期末単発のセールスが堅調だったことや、今週末の2夜連続ドラマ「名探偵・明智小五郎」等のセールスで積み上がり、前年水準に到達した。スポットについては、東京地区は97%程と伸びてきていないが、最後まで粘り強くセールスしていく。4月の営業売上は、タイムが前年比91%+α、スポットが53%+α、トータルでは70%+αとなっている。タイムだが、4月改編セールスでのベースダウンはあるが、「世界フィギュアスケート国別対抗戦」のセールスに注力し、売上を積み上げていく。スポットだが、東京地区は緩い見込みでも95%程と低調な市況が継続している。発注ラップも非常に遅くなっているが、引き続き積極的にプロモートに努めていく。
※放送外収入について。
武田専務:総合ビジネス関連のトピックスを報告する。まず最初にAbemaTV関連だが、地上波との連動では、先月お伝えした「陸海空 こんなところでヤバイバル」に加えて、4月から地上波でレギュラー復活する「しくじり先生」もAbemaTVとの連動が決定した。また、4月11日から4月14日にマリンメッセ福岡で開催される「世界フィギュアスケート国別対抗戦」は、地上波の中継をAbemaTVで同時配信するほか、ペア、アイスダンスを生中継する。ビデオパスでは、昨年に引き続き「ロンドンハーツアーカイブ傑作選」の第2弾を、3月19日よりSVODでは初めて配信している。続いて新日本プロレスだが、いよいよ4月6日 に、日本のプロレス団体としては初めてとなるNYマディソンスクエアガーデンでの試合が行われる。2万席のチケットは即日完売ということで現地でも注目を集めている。新日本プロレスワールドでは世界生配信を実施し、全国の映画館でのライブビューイングも行う予定だ。続いてイベント関連だが、60周年記念事業として、まず「ブルーマングループワールドツアーIN JAPAN」は、2007年に東京で80万人を動員した人気イベントで、今回は、およそ9年ぶりの開催となる。5月1日から6月2日までEXシアター六本木で行われる東京公演を記念事業として行う。チケット販売も既に90%強に達していて順調に推移している。次に、今年開催20周年を迎える「サマーソニック2019」だ。8月16日から3日間、幕張メッセを会場に展開する。今回は20周年とあって、出演アーティストも錚々たるメンバーで、海外からはRED HOT CHILI PEPPERSやTHE CHAINSMOKERSなど、国内ではB'zをはじめ、ALEXANDROS、RADWIMPSなど、これまでにない最高レベルのアーティスト総勢50組が集結する。60周年記念のイベントはあと数件作業中だが、次回の会見で、まとめてご報告できると思う。最後に麻雀プロリーグ「Mリーグ」についてだが、ファイナルシリーズも残り6試合になった。現在、当社の「EX風林火山」は第2位。トップは博報堂DYMPの「赤坂ドリブンズ」で、今週末の3月31日には初代のチャンピオンが決定する。
亀山専務:3月1日に公開された「映画ドラえもん のび太の月面探査記」だが、興収28億6632万円で、観客動員245万3255人で推移している。今後の公開作品だが「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし〜」が4月19日公開だ。
※AbemaTV開局3周年となるが、会長の振り返りは。
早河会長:アプリは3900万(ダウンロード)が目前で順調に伸びている。去年10月からオンデマンドのサービスを始めていて、こちらもニーズが高まっている。課金ビジネスも好調だ。KPI(重要業績評価指数)、簡単に言うと数値目標だが、WAU(ウィークリーアクティブユーザー)1000万を掲げているが、特番などコンテンツ強化で山をつくりながら推移してきて、年末年始は900万を超えた。その後、通常でも700万から800万のレベルまで上昇してきている。開局3周年で特別編成を実施するので、さらに上を目指していきたい。ユーザーは10代から30代前半が7割を占めている。狙い通り、若年層がターゲットになっている。去年12月時点では、男性が56%、女性が44%と、満足できる男女比になっている。人気コンテンツは恋愛リアリティショーで、「オオカミくんには騙されない」「今日、好きになりました」などだ。オリジナルドラマでは、「1ページの恋」が(オリジナルドラマの)歴代最高視聴数を記録した。それ以外でよく見られているのはアニメ、将棋、麻雀、格闘技だ。テレビ朝日が中心となって制作しているAbemaNewsは、記者会見など速報性の評価が非常に高い。また、北海道地震など停電の時に地上波は見られないので、その代替機能として、被災地の皆さんに非常に評価されている。去年から当社が制作する4時間の「バラエティーステーションpresented by テレ朝」は、ネオバラ枠との連動を深めている。広告、営業活動は、テレビ朝日とAbemaTVと共同で行っていて、順調に収入を伸ばしている。出稿の多い業種は、携帯電話、SNS、ゲーム、化粧品、人材サービスなど、やはり若年層ターゲットの広告主が目立っている。このクールは大変好調に推移している。
※来年度の放送が決定している「24 Japan」の制作状況、キャスティングを教えてほしい。改めて、意気込みも伺いたい。
早河会長:撮影は年内に入る。原作はアメリカを舞台にした大作なので、日本版にどのように置き換えるか、脚色がポイントだろう。大統領候補を日本ではどのように位置づけるのか、そのようなことを今詰めている。著作権がアメリカ側にあるので、了解を得るなどの細かい作業がある。ストーリーも過激なシーンが多い番組なので、例えば銃撃シーンなど、それを日本版にうまく落とし込む、このようなプロデューサー、脚本家といった制作スタッフの時間をかけた作業が目下進行中だ。本数が長く、1時間にするとおそらく24話くらいになる。通常のテレビは1クール9〜10本なので、2クール分くらいある。そのような過酷というか、クリアすべきポイントを一つ一つこなしていく、気が遠くなるような作品だろう。

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